ファン・ジニ | アナナスのサイトーシング・10。

アナナスのサイトーシング・10。

私たちのDNAの中の窒素、歯の中のカルシウム、血の中の鉄、アップルパイの中の炭素は、崩壊する星の内部で作られた。私たちは星でできているんだ。
(天文学者カール・セーガン)
あなたもわたしも⭐️で出来ている。

という韓国ドラマを見ている。

「篤姫」終わってから即見る。

主役のチニちゃん役は、ホラー・クィーン、ハ・ジウォン。

さすが目力があります。木村佳乃をもっとゴージャスにして色っぽくしたカンジ。

こんな人が貞子やったら、えらい怖いだろーなー・・・。でも、韓国は色彩の民だから、白い服じゃなくて、ポップ・カラーの貞子☆

なんつーか、内容は韓国の芸妓さんの話なんだけど。妓生と言われてて、それぞれ地方にある国営の学校で見習い達が学ぶらしいんですな。

韓国の芸妓っちゃー、大変。体が資本。伝説の踊り「鶴の舞」を踊るために、見習い達がうんていみたいなことしたり、逆さ吊りになったり。滝つぼに石くくりつけられてもぐってみたり。

芸妓ってんだから、要は花柳界の話なんだけど、あまりに練習自体が厳しくて、・・・・甲子園とか、国体に行くかのようなスポ根ぶり。日本だったら、「いじめ」とか「いびり」とか「嫉妬」で苦労しそうだけど、とりあえずこれは部活的しごきっぽい。運動神経が無い人間には無理。

鬼コーチというか、その教房(地方技生養成所)の校長先生(ベンム)も気合入ってます。

「妓生の一生というものは、超キレイ、その上楽しい。きれいでハデな服なんていっくらだって着ていいし。別に家事とかしなくていいし。で・も・な、楽しい時に微笑むのは当たり前。悲しい時に微笑むのだ。何より、辛く、苦しく、悲しい・・・それを糧に舞うのだ。それが技生だっっっ。芸の道は厳しいのだからして、さあおどれおどれーーーー練習あるのみっっっ」てなもんです

・・・王監督張りのド根性。

口答えなんかしたら、グラウンド10周させられちゃいそうです。

実際、チニは問題児だから、よく、枝みたいのでふくらはぎひっぱたかれてる。

頭もすごい。なんつーの、積載量。チャングムの時は、一応、頭を中心にして、ぐるりと丸くぶっとい三編みが巻いてあって、枕みたいのがどっしり刺さってたけど、今回はねー、なんか片方にズレてんの。粋ってことなのかなあ。これはバランス取るの大変だよー。ほんで、かんざしが何個も何個もささってる。これで踊るんだよ・・・。あの韓流アントワネットみたいな服で・・・。無理だー。ジャージとスパイクでも無理だー。

 ライバルもいる。でもただ悪巧みしてるわけじゃない。(悪巧みももちろんする)

ライバルは、王室付舞踊技生団。ロイヤルバレエ団ってところ。

こつちにも、プヨンちゃんっていう見習いと、その師匠のメヒャンってのがいる。

「倍で足らないというなら、私、10倍でも、20倍でも、いいえっっ、100倍でも練習して立派な踊りをしてみせます、先生っっ」「おろかものっ。それだけで我々があのベンムに勝てると思うのかっっ。我々は我々の流儀で未来をつかむのだ」(メヒャンは、踊りだけなら、自分ではなくベンムが一番だと認めてはいる)こっちは、言うなれば、落合監督、オレ流野球。王VS落合。ド根性原理主義VSオレ流ニューウェーブ。

根性、、、、。そう、ただしたたかとは言えない、根性があります・・・。

私、韓国の踊りってよくわかんないんだけど、確かに筋力とか体力が必要そうなカンジ。

太極拳くらいのゆっくりなテンポなのに、腰を床につくくらいまで落として、足の力だけで立ち上がったりって流れの中に何度もある。スピードさえ速ければ、新体操みたいなことしてるし。

 しかも。チニちゃん、ただいま恋愛中なのですが・・・、相手のぼっちゃんがえらいこと情けない。チニちゃんがヒョウかチーターなら、ぼっちゃんはウサギかポニー。

儒教文化&中華思想をバンバンに受けた縦割社会の文治国家。身分の差がどーしてもネック。

でもさー、たぶん、アラサーにしか見えないけどさ、これって、多分、156の少年少女の話なんだと思うんだあ。なんせ突っ走る2人。もー、校長先生から、チニのお母さんから、友達から、近くの役人から、坊ちゃんの両親から、父親の同僚、使用人、婚約者にその両親、友達で婚約者の弟まで巻き込んで、大騒ぎなんだけどさあ。・・・ダメだ。坊ちゃん。アンタとチニじゃ、身分の前に器が違う。明らかに荷が重い。

婚約者の女の子は、坊ちゃんが好きなんだよね。でも、許すの。坊ちゃんがチニが好きだってんなら、それでもいいって。でも、お願いだから、坊ちゃんが何もかも無くすようなことはしないでさせないでってチニに頼むんだよね。「あなたを側室として私が責任持って迎えます。だから、どうか破滅させるようなことはしないで」って。でもチニは断る。

「心を分け合うことなんて出来ない。いやです」って。つまり、二人で破滅する道を選んだってこと。うーわー心中系恋愛至上主義っっ。

基本的に、この時代、「ちょいと浮気」「ためしに付き合う」なんてのが一番悪かったらしい。

そのへんの普通の娘さんに手を出すなんてもっての外。

「普通のコになんて手を出すなんて最低。なんて品が無いんだろう。きちんと遊郭へ行きなさい」って時代だったらしい。(今と逆ですな)

しかも、昔の中国でそれなりのおうちだったりすると、ダンナが他に愛人を作ってたりすると、「まあ。だらしない」って奥さんが怒って、

「家にお迎えもしないでただ通っているなんて。なんてだらしないんでしょう。あたくし、恥ずかしいですから、アナタがその方をちゃんとうちにお迎えしてくださるまで、実家に帰らせていただきますっ」って言って実家に帰ったりしちゃうんだってー。

まあ確かに、それが当たり前で許される環境と経済力があれば、ちょっと浮気だなんて言うのは、なんて無責任なって事になるんだろうなあ。

ああ・・・全くもう。

と言いつつ、観ることは止められない。

お供は「五家宝」・・・うまい。これうまい。