ほんのちょっと昔話に付き合って欲しい2 | はがっちの竹藪生活

はがっちの竹藪生活

青森県弘前市を中心にバンドやってます。
☆WATERFALL☆
12/22大館市LINDALINDA
☆Thee OSAZ☆
11/11弘前Mag-Net
☆地域活性化活動Asobo!Hirakawa
朝ヨガ、Youtuber養成講座、START UP カフェ

毎日付きっきりで看病する母も体力の限界が近付いていたため、ゴールデンウイークの最初の日、自分が泊まりで看病することにした。


その夜、母には一言も弱音を吐かなかった父親が、




「今までの人生で一番辛い。俺はもう死ぬんだろうか・・・」




と、弱音を吐いた。ほんとのことを言いそうになった。それを我慢して、





「そんなことあるわけないだろ。頑張って治そう。孫の顔だってまだ見てないんだから。」





そう言いながら、背中をさすった。腹は水で膨れているのに、背中は背骨が浮き出て、とても痩せていた。そして、とても小さかった。


父親の背中越しに、声を出さず泣いた。その時ようやく、父は死ぬんだ・・・と解った。嘘が辛かった。



父親がなんとか寝ると、もう朝が来ていた。



母親が看病の交代をしにきた。



徹夜明けで家に帰ろうとした時、父親が俺に声を掛けた。





「ありがとうな。」





生まれて初めて、父親に礼を言われた。


父親にお礼を言われるようなことを、何一つしてこなかった自分が悔しくて仕方無かった。


なんて俺だ。その身体の痛み、辛さを俺に渡せればいいのに。本気でそう思った。