「これだけかいっ!?」 | 熊本阿蘇~火の国探訪記

熊本阿蘇~火の国探訪記

「熊本」は、火の国でもあり、また霊(ひ)の国とも言われています。

熊本や阿蘇の歴史や伝承をひもときつつ、この土地の持つ魅力に迫っていきたいと思います。




熊日新聞社発行の資料によると、45年程前、僕が住む大津町にある西弥護免遺跡(弥生時代の集落跡)から約300点の鉄器が出土した、とあります。300点!鉄器!?弥生遺跡から!?

これが全部輸入品だとすると、逆にすごくないですか?よほどの権力者ですよ。でも、それなら大津町の歴史に名が残っていてもいいはずですが、そんな話は聞いたこともありません。

住所を見ると僕の家のすぐ近所です。そんな遺跡があるとは、つゆ知らず。鉄器が300点も出た遺跡なら大切に保護されているに違いない。聞いたことないけど、とりあえず行けば分かるだろうと思い、現地を訪れてみました。すると・・・、

住宅地の入り口に一本の棒っくいが立っていました。

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・・・これだけかい!?

仕方ないので、大津町歴史文化伝承館に行ってみました。出土した鉄器の展示があるかもしれません。

「西弥護免遺跡から出土したものの展示はありますか?」
「はい。ありますよ。どうぞ、こちらです。」

そこには、2~3点の壺のような土器が飾ってありました。

「あの、鉄器はないのでしょうか?」
「鉄器ですか?展示にはないですね。」
「でも、西弥護免遺跡からはたくさんの鉄器が出たんでしょう?」
「あ~・・・鉄は錆びますからね。保存状態が悪くて残ってないのではないでしょうか?」
「ひとつも残されてないのですか?」
「いや~、もしかすると、県の資料館などに保管されているかもしれませんが、とりあえず大津町では持っていませんね。」

「弥生集落から300点もの鉄器ですよ!事の重大さが分かっているのですか?」とは言わずに、そのまますごすごと帰ってきました。

帰って地図を見ていると、遺跡の近くに「多々良」という地名があるではありませんか!なんてこった!


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早速、行ってみました。集落をしばらく徘徊していると、地区の人が集まる公民館がありました。

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入口辺りに何か棒っくいが立っています。近寄ってみると・・・。


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また、これだけかい!?





でも、ちゃっかり「古代たたら製鉄の里」とか書いてるし。

どうも、古代史というのは軽んじられている気がする訳です。

ロマンなのに・・・。

つづく