「ホーク&ドラゴン 鷹と龍」 | 熊本阿蘇~火の国探訪記

熊本阿蘇~火の国探訪記

「熊本」は、火の国でもあり、また霊(ひ)の国とも言われています。

熊本や阿蘇の歴史や伝承をひもときつつ、この土地の持つ魅力に迫っていきたいと思います。

阿蘇山上の火口に一人の修験者が立ち、一心に般若心経を唱え、念じた。すると、火口から鷹が飛び出した。「こんな小鳥が神霊池の主ではあるまい」と顔を振ると、俗人、僧侶、小さな龍と、次々に変身しながら現れ、そしてこれらをかき消すようにして十一面観音菩薩の荘厳な姿が浮かび上がり、さらには山が鳴動し、火口の神霊池が騒ぎ立ち、九頭八面の巨大な龍が口から火炎を吐きながら出現した。
「彦山流記~木練上人霊験奇譚 1213年 より」

(感想)
ジェームズ・ブラウンのように、ハイテンションで単調なフレーズ(ゲラッパ!)の繰り返しを行うとトランス状態に入りやすい訳です。木練上人の場合も、一心に般若心経を繰り返し念ずることで変性意識状態にあったかもしれません。このような状態にあらずとも、人間の脳は普段から「見たいものを見たいように」見ている訳です。ストロンボリ噴火と火山雷の光景を目の当たりにした人が、「龍を見た」と認識したとしても不思議はありますまい。だって龍にそっくりだもの。龍は幻影であり実在しない、と言いたいのではありません。個人的には、龍は変幻自在であり、様々な自然現象に姿を借り出現する、というニュアンスで捉えています。その方が、楽しいですからね(笑)。

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↑は、「フォトレポート阿蘇」より、ストロンボリ噴火と火山雷の様子です。右上は火映現象(御神火)。大変、神々しい光ですね。


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↑ これは、阿蘇ではないのですが、2011年に撮影された、霧島連山の新燃岳(しんもえだけ)の火山雷です。まさしく龍ですね。ナショナルジオグラフィックより。




ところで、「鷹と龍」は、阿蘇によく登場するキーワードです。龍は、阿蘇大明神(健磐龍命)の化身とされていますし、草部吉見大明神国龍命は、そもそも龍体であったとされています。また、阿蘇神社や幣立神宮の神紋は「違い鷹の羽」です。etc

タイガー&ドラゴンならぬ、「ホーク&ドラゴン 鷹と龍」
天高く昇って行く飛翔感があり、かっこいいです。