山の話(3) | エニグマ/奇妙な話

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幽霊話ではない不可解な怪奇現象、怪談奇談の数々。
これらは全て実際に起こった出来事です。

この世界は、あなたが思っているようなモノではないのです。

山で狩りをする者は気配を大切にしている。


姿が見えない獲物がどこに、どうやって潜んでいるのか。

また相手が自分に気づいているのか、

熟練者にはそういったことまで分かるという。


また狩りをする者は自分の気配もうまく消さなくてはならない。

山ではいつ何時、自分が狙われる側になるか分からない。


したがって気配を見逃して、相手に気づかなかった場合。

知らない間に相手に真後ろに立たれたら、決して振り向いて

はいけない。

自分たちが知らない気配である。

後ろにいるのは誰も見たことのない、そういうモノだ。


そういう時は振り返らず、落ち着いてただ名前をつけてやると

いう。

ちっぽけなウサギだと決め付けてやると、誰も知らないソレは

ウサギになるしかないのだという。

そうやってやり過ごしてやると、

気配は舌打ちをしたり、ゲラゲラと笑いながら消えるそうだ。



余談だが、つい先ごろ、南米のジャングルで46種類もの新種の

生物が見つかった。

人によって淘汰されたという絶滅種が多く挙げられる一方で

まだ誰も知らない種が新たに見つかるというのは不思議である。

彼らは一体、どこにいたのだろうか。