自分の耳にはどうやっても馴染まないN-70Aの音質ですが、音の良し悪し云々という
以前にとにかく”サシスセソ”が耳に刺さって耐えられません。(爆)
そもそもN-70Aに搭載されているESS社製DAC(ES9016S)の音を聴くのも実は今回が
初めての経験でしたので、もしかすると単なるDAC固有の音質(性能)という可能性も
なくもありません。
ただ、そうなるともうお手上げ状態なのですが、とりあえず中身の基板を確認してみる
事にしました。
蓋を開けてみるとシャーシがカタログ通りの3分割構造になっていました。
正面から見て左側がデジタル電源基板、中央がデジタル基板、右側がDACの載った
アナログ基板という具合に各ブロックがパーティション越しにスッキリと収納されてい
ますが、アナログ基板の電源部を見ると一次電源の平滑用として緑色のニチコン製
音響用コンデンサが使われているのがわかりました。
恐らくはメーカー向けにチューニングされた専用品で、アフターマーケットには出回ら
ないMUSEシリーズなんだと思いますが、N-70Aの音を簡単に表現するのであれば、
「少し中抜けしたようなドンシャリサウンド、低域は薄っぺらく高域はヒリヒリするくらい
に粗い」といった感じで、何となくMUSE-FX(既にディスコン品)の音に似ています。
ネットワークプレーヤーに限らず、オーディオ機器は一次電源のクオリティがそのまま
システム全体の音として波及しますが、特に平滑用途で使用される大容量ケミコン
(電解コンデンサ)は機器全体の音色を支配しますので、足枷はこの専用コンデンサ
と考えて間違いなさそうです。
とりあえずこのMUSE(二ヶ所)を替えるだけで耳障りな音からは開放され、鳴り方が
ガラッと変わるだろうという確信はありましたが、一応、様子を探るという意味で手始め
にデジタル電源基板から改造してみる事にしました。
改造内容は基本的にコンデンサの追加及び交換、SiC-SBD(シリコンカーバイトショット
キーバリアダイオード)への変更程度ですが、デジタル電源を弄った時点で耳に刺さる
ような音はすっかりと影を潜めるようになりました。
音質は既に自分好みの良い方向へと変化していますし、この上でアナログ基板に手を
加えれば音は相当良くなるのではないかという予感がしました。