最初、予告を見た時は「ん、またゴジラ?今は見たくないかな」って感じでした。心に余裕のない時期だったし、子供だましの世界に思えて。
でも、今すごく世界で、高評価をもらってるらしいじゃないですか。
公開が去年の11月だから、とっくにあきらめていたんだけど、急に興味が湧いて来て調べてみたらまだやってた!!
休日でも1日に1回ずつしか上映してないし、朝9時からの劇場だったり、昼頃のスケジュールだったり、日によってまちまちだけど、なんとかすれば見れる可能性が出てきた!!
そしたらますます見たくなって、ついに昨日(2/24)土曜18:20の回を観に行きました。
いつもよく行くところじゃなくて、駐車場の入りづらい映画館だったけど。行きの車中、ラジオに夢中になってたら、なんと行き先を間違えていつもの所の近くにいました。
早めに出たとはいえ遠回りのうえ道が混んでて、けっきょくギリギリセーフで到着しました。
ホラー映画のようだと言ってるひともいて身構えていたから、衝撃的な幕開けに目を見張りながらも最後まで臨場感を楽しめました。
恐いですよ、このゴジラ。
でも「シン・ゴジラ」の官に対抗して民目線だから、登場人物たちに感情移入しやすいです。
「シン・ゴジラ」は国のトップ主導のストーリーで、本当に国民思いの、こんな政府だったらいいよねって冷めた目で見てしまいました。
マイナスワンは初代ゴジラの時代より前、戦後の設定です。敗戦で武器はすべて取り上げられてアメリカもソ連も誰も助けてくれない中、戦争帰りの有志を募り、民間人が知恵を絞って巨大生物と戦います。
そんなわけで、いいなあと思うセリフがいくつも佐々木蔵之介さんや吉岡秀隆さんの口から発せられていました。特に最後の作戦前夜、吉岡さん演じるガクシャのセリフにぐっときました。
「今夜はみなさん、家族と過ごして下さい」と作戦発案者のガクシャが、集まってくれた人達に呼びかけると、戦時中を思い出し、もう帰って来られないのかと不安が広がります。
その時、「いいえ、戦争中は命が粗末に扱われましたが、これは未来を生きるための戦いです。誰一人犠牲を出さないことを誇りとしましょう。」と、いつもは恐縮気味なのに、ここぞとばかりの大きな声で、ガクシャが語りかけるのです。
実際に昔から、民間人が力を合わせて何度も何度も、這い上がってきたんですよね。
一億玉砕やら特攻やら、人の命を弄ぶような命令を下すのがクニなのに、そのために犠牲になった先人達に顔向けできないような状況は続いています。私たちは、それを忘れ、考えないように生きています。
クニは民を見殺しにするし、生贄にさえ差し出すのです。
なぜならそれは魂を抜かれた傀儡のシステムだから。
人の心があれば出来ないようなことが、平気でできるようになる洗脳。
そして罪の堆積した塊、ゴジラが襲ってくる。
攻撃すればするほど、どんどん巨大化する恐怖。
破壊しても破壊しても再生する、その怖さ。
子供だましと思わずに、ぜひ総理大臣にも見て欲しいと思いました。