目に青葉 山ほととぎす 初鰹(ガツオ)
あれは、この句に登場する季語にふさわしい、
初夏の香り漂う5月末の土曜日のことだった。
このブログでもたびたび紹介する、
かつて子ども達の通う高校のPTA役員を共にした、
仲間たちとの飲み会が開かれた。
地酒「西の関」の熱燗を酌み交わす。
瀬戸内で獲れた新鮮なタコやカレイには、地酒が合う。
「やっぱり、国東の魚が一番美味しいっちゃなぁ~」
すると、メグちゃんが自慢げに言う。
「オトーサンと高知に行って食べた、
藁焼きのカツオのたたき…
アレは美味しかったよ…」
一昨年の秋、このメンバーで山陰旅行をした。
ところがメグちゃんは、
息子さんの結納と重なり参加できなかったのだ。
その結納の帰り道、
立ち寄った高知の戻り鰹の藁焼きのたたきの味が、
忘れられないのだと言う。
メグちゃんにしてみれば、
集まったたびに話題に上る、
山陰旅行に参加していない引け目からの言葉だったのかもしれない。
久々にどこかに行きたいねぇ…
と、酒の酔いで漠然と描いていた旅行の行き先は、
これで決まった。
「藁焼き鰹のたたきを地酒の冷酒で…
土佐の高知で酔いしれよう!」
何とも長たらしいネーミングの旅行は、
戻り鰹のシーズンにはちょっと早い先日実施された。
大分の佐賀関港から、
四国の三崎港にフェリーで渡る。
松山自動車道をひたすら東へ。
徳島県に入ると、池田湖が目に飛びこんでくる。
四国三郎、吉野川をせき止めてできた人造湖だ。
美しい。
池田湖から、吉野川に沿って国道32号線を南下する。
両側を険しい山に挟まれている。
川の水が透き通って、青々して綺麗だ。
大雨の時、増水した川が削りとった岩肌が美しい。
吉野川上流の景勝地、大歩危、小歩危だ。
しばし清流をボケーっと眺め、
浮世の煩わしさを忘れる。
(ちなみに、「歩危」はボケーっとが語源ではない)
そして、祖谷(イヤ)のかずら橋。
「イヤよ、そんなに揺らしたら…」
怖がるご婦人をいじめて喜ぶのは、
小学生の時から成長していない証拠。
高知市内に入ったのは、夕刻5時に近づいていた。
高さ13.5mの坂本龍馬の大きな銅像にわが身を移し、
太平洋の大きな白波の打ち寄せる桂浜を歩く。
ここに立ち、広がる太平洋を眺め、
龍馬は思ったに違いない。
「いざ行かん!
自由な近代国家アメリカ大陸へ…」
豪快な荒波寄せる桂浜に感激し、
帯屋町のアーケード街にあるホテルに、
チェックインしたのは、午後6時20分だった。
潮でベトベトになった顔、首筋や腕などを、
メンソール入りの濡れティッシュで拭いてごまかし、
シャワーも浴びず、ロビーに集まる。
いざ行かん!
藁焼き鰹のたたきと地酒の待つ居酒屋へ…

