皆さま、こんにちは。よねおです。今週の初めに新語流行語大賞が発表になりましたね。

大賞は『3密』ということで、選考委員の金田一秀穂さんは、この『3密』という言葉をこのように評しています。「いくつかある大切な項目をまとめる表現(例:結婚の条件の3高,大変な肉体労働を表す3K)が日本語の得意技の一つとし、コロナという悲劇的災厄の中にあってもその得意技を発揮して注意すべき心得をまとめて表し、予防を喚起した」本当に2020年はコロナウイルスによって影響を受けた1年でしたね。

さて、このコロナの影響は日本だけではなく世界各国にも及びます。最近、『新型コロナウィルスとソーシャルワーク国別報告集』という新型コロナウィルスの パンデミックに対する各国の対応をソーシャルワークと社会福祉の役割に特に焦点を当てて書いているレポートを見つけたので皆様にご紹介いたします。

 

新型コロナウィルスとソーシャルワーク国別報告集

http://www.jaswe.jp/novel_coronavirus/doc/20201127_corona_socialwork_e.pdf

 

このレポートには日本を含む17カ国の感染状況,コロナウイルスに対する社会的施策,ソーシャルサービスとソーシャルワークの対応についてまとめられており、政策や実践上の課題を理解することができます。ある国の医療ソーシャルワーカーはクライエントと家族を窓越しに会えるように支援をしたり、家族の写真をプリントアウトしてベッドサイドのロッカーに飾ったりと、日本でも同じことを行っている方がいるはず!と思うような実践の報告があったり、このブログと同じようにSNS等利用したソーシャルワーク活動や専門職としての質を担保するためのオンラインのセミナーやウェビナーの開催されていることの紹介もありました。また、とある国の高齢のクライエントがコロナ禍における生活の制限を「ずっと前に経験した第二次世界大戦末期の数年と同じような感じ」と表現されているのが印象的でした。

最後の結論の項では、共通パターンの分析を行っているのですが、コロナ禍における高齢者へのケア,閉鎖的な生活環境における虐待リスクの高まり,ホームレスや難民への対応,ITの活用とアクセスビリティ等が触れられており、国や文化に違いがあるとしてもソーシャルワーカーとして行うことや捉えているもの,実践上の課題に大きな差はないんだなと思いました。

 

と、真面目に紹介をしましたが気難しく考える必要はありません。ただ、世界のどこかにソーシャルワークという共通項でつながっている同志がいると知ることだけでいいと思います。そして、心の中で世界のどこかのソーシャルワーカーと今日の自分自身を励まして、労って、この難局を乗り越えていければと思います。

 

よねお

 

 

ソーシャルワークの実践評価にこの一冊

 

皆さんこんにちは。早いもので今年もあと1ヶ月となりました。つい先日まで日中は暑く、とても冬にむかっているとは思えない気候でしたが、ここにきて少しは冬らしい冷え込みが出てきましたね。

 

さて、今回は自身の実践の振り返りを行う際に使え、さらには新人SWへのスーパービジョンや学生の実習指導の際にも活用できる書籍の紹介をしたいと思います。今回ご紹介する本は「ソーシャルワーカーによる 退院における実践の自己評価」です。

ちなみに著者の小原眞知子先生には、この本と同様のテーマで数年前に九州医療ソーシャルワーカー協議会中堅者研修で講義をしていただきました。

 

皆さん、日々の業務の中で一番時間を割いている「退院支援」についてその実践の振り返りを行っていますか?また、新人教育を行う上でどのような指標を使って指導されていますか?もしも、これといった明確なものがなくて教育や評価に困っているという方がいらっしゃれば、この本を活用してみてはいかがでしょうか。

 この本では、退院における実践のプロセスとアウトカムについての自己評価ができるように項目がわけられており、それぞれの項目に対しての評価ポイントが詳しく解説されています。評価のポイントがあることで、自身がどの程度実践できていたのかを客観的な視点で評価し理解を深めることが出来ることで、いつでも、誰でも同じような評価・指導ができる点では使い勝手のいい一冊ではないかと思います。自分の実践の振り返りに、また、新人教育や後輩指導に悩んでいる方にお薦めの本です。

 

こんにちは。しもしもです。もうすぐ12月、九州の紅葉は終わりましたが、夜はクリスマスイルミネーションで彩られ、とてもきれいですね。コロナ禍であまり混雑した中を歩きたくはないですが、少し余裕があるときはその余韻に浸りたい気分です。

 

今回は「ボクはやっと認知症のことがわかった」という本をご紹介します。もうすでに読んでいるMSWさんも多いのではないでしょうか。

この本を読んで、改めて自分がどのように認知症の方へ接しているか、支援をしているかを考え直す機会にもなりました。

 

長谷川先生の言葉に、認知症の正しい知識を持って、「何もわからないと思って置き去りにしないで。」「本人抜きに物事を決めないで」「時間がかかることを理解して暮らしの支えになってほしい」とありました。

 

日頃の仕事を振り返ってみて皆さんはどうですか?

 

私は、恥ずかしながら、気にはなっているけれど・・、ベットサイドで声はかけるけれど、なかなか話も通じないし、こちらからの問いにちぐはぐな返事は返ってくるし・・。病棟からは「早く転院を!」と急かされて、家族と退院の話を進めてしまっていることが多いように感じます。病棟は多くの重症な患者さんを抱えているから「つなぎの洋服もしょうがないか・・」と思ってしまっています。長年MSWを生業として働いているのに情けない次第です。地域で支えているケアマネージャーさんや施設の職員の方が来られると、どんよりしていた患者さんの表情が、パアーっと明るくなったり、デイサービスの話を嬉しそうに話したりする姿を見ると、自分の関わりに「はっ!」とさせられたこともあります。

 

また、認知症であっても尊厳をもった「人」であるのには変わりないこと。認知症の本質は「暮らしの障害(生活障害)」であること。認知症は「固定されたものではない」こと。認知症になったからといって突然人が変わるのではなく昨日まで生きてきた続きの自分があり「連続している」こと。「その人中心のケアを行う」こと。

 

このような言葉は「認知症の方」に限らず、MSWとしての基本姿勢ですね。

 

 毎日の仕事が「業務」になってしまい、それに自分が慣れてしまうと、MSWの本質を忘れてしまいがちです。

 

「少し時間に余裕を持って」「たわいもない話の中で何かのヒントを得る」「地域での生活の様子からその方の姿を知る」等々、少し心がけて関わることで「その人中心のケア」を見出すことができるのではないかと思います。

 

 読まれていない方は是非お勧めです。

 

しもしも