二転三転のdrizzly rain:箕面採集8/20 | 九大昆虫班のブログ

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九州大学生物研究部昆虫班です。班員が交代して更新します。

箕面採集
8月20日
大阪府箕面市箕面山
採集者:上森 杉浦

教習所に通い始めたら時間が無くなった上森です。

とりあえず部長さんから言われている箕面採集について書きたいと思います。

今回の採集者両者とも関西出身であり、帰省時期が重なっているということで、関西昆虫のメッカであり、箕面昆虫館もある箕面山に採集に行くことにしました。
この場所は2年ほど前(記憶がおぼろげ)にルリジガバチがたくさんいる場所を見つけていたので、まだその場所にいるのか、ということ、またあわよくばルリジガバチに寄生するミドリセイボウを捕れないだろうか、という期待をもっています。

さて当日

DON・TEN

なんでやねん……昨日まで晴れとったやないかい……。

雨も降りそうですし、本来なら日を改めて……となるのですが、今回は決行しました(杉浦氏がバイトをするとか言って福岡にもどりやがるから予定の会う日がこの日しかなかったのです。暇なくせに)

まあどうやら午後から晴れ間も見えるらしいので、大丈夫でしょう。

阪急梅田駅で待ち合わせて、そのまま阪急で箕面駅まで。
窓に水滴がついている気がするが気にしない。

およそ20分程度で箕面駅に到着。

A・M・E

軽くですが雨が降り出しました。なんなんですかね、もう。
飛ぶ虫はまったくいません……と思いきや、スズメバチは飛んでいました。Vespaさん根性ですね。

まあちょうどいいです。そのうち雨も止むでしょうから、昆虫館を見学しましょう。



1時間ほどで出てきました。雨も止んでいます。この気温と湿度ですからハチはあきらめたほうがいいですが、ここにはほかにもいろいろいます。前向きに採集に向かいましょう。

しかしながらこの箕面山、駅から箕面大滝まではハイキングコースとして整備されており、スウィーピングできるような草むらはありません。そして雨上がりですので虫は飛んでいない。

一見詰んだかのように聞こえますが、さすがは箕面山です。こんな日でも採集はできます。
箕面大滝までの道のりは、川の傍を歩いていきます。道の川側にはガードレールが設置されており、そのガードレールが木でできているため、ガードレールを見ると様々な昆虫を見つけることができました。


今日はなかなかカミキリがいます。

左:サビカミキリだと思うのですが、わかりません。
右:アトジトサビカミキリ Pterolophia zonata
生態写真がなくてすみません。

ぼんやりとガードレールを見ながら歩いていたわけですが、ふとした瞬間に「ヤツ」はいました。



トゲナナフシ Neohirasea japonica ですね。

私はあわてて「あ! あ、あー! あっ、あーあれ! あれ!」とナナフシ、という言葉さえ出ずにトゲナナフシを指さしつつ杉浦氏に叫びました。
なんやなんやと近づいてきた杉浦氏はそれを見て絶叫、そして発狂。初号機もびっくりの勢い。
今まで何故か普通種であるはずのトゲナナフシにあえていなかった彼。「これは何かレアなハチを献上しなければいけないな」と嬉しそうに言いました。よかったね。

それからは血眼で探し始めました。杉浦氏はさらにトゲナナフシを捕るため。私はさらにトゲナナフシを捕り、彼に恩を売るため(あくどい)。
しかしながらガードレールは大体へそぐらいの高さにあり、ずっと川が右側にある、つまりガードレールも右側にあるので、ずっと右斜め下を見ていなければいけません。腰が痛い。

疲労の末、2匹目も私が発見しました。「これは新種のハチでも見つけて献上(略)」と言い出しましたが、彼はうれしい反面、ナナフシ好きでもないやつに先を越されるのが悔しくなってきたようです。さらに目をギラギラさせて探し始めました。

そして3匹目はナナフシ屋の根性を出して、ようやく杉浦氏が見つけました。よかったね。もし3匹目も私が見つけていたらいったい何を献上してくれたのかは気になるところだけど。




そんなこんなで滝まで来たわけですが、水量が異常。この滝は山にトンネルかなんかを通した時に水脈をぶったぎっちゃったらしく、電気でくみ上げている滝なはずなのですが……。ちょっと元気すぎやろ。
水しぶきがあたり一面をべちゃべちゃに濡らしています。この滝の近くに例のルリジガバチのポイントがあったのですがここもべちゃべちゃでなんもおりませんでしたわ。やれやれ。


帰りはより山側を通る道を歩くことにしました。しかしながらこっち側は足場が悪い。


川じゃないです道です。


さてここである昆虫が捕れました。私としてはただの「捕ったことのない虫」という程度の認識なのですが、例によってガードレールの上にポンとおったものを私がひょいと拾い上げたところ、杉浦氏が

「お前それコブヤハズやんけ!?」

といったわけですね。

セダカコブヤハズカミキリ Parechthistatus gibber

やんけ、と言われてもピンと来ないので「なんか珍しいん?」と聞いたわけです。

いわく、彼らは飛べないためフラゲはできない。また分布が局所的である。最近は採集法が確立されてきたが、それでもかなり偶然性に頼る、ということらしい。
コブ叩き、というらしいですね。しかも採集時期はまさに今頃とか……。

まあそんなことを言われても捕れてしまったものはしょうがないので、悔しそうな顔をする杉浦氏を尻目に毒ビンに放りこんだわけでした。


その後、山のふもとの「滝道昆虫」という昆虫用品専門店に立ち寄り、店のおっちゃんと話し、衝動的に長竿を買ってしまったり。

まだ時間があるので電車で川西能勢口まで行き、猪名川の横を歩き、五月山公園まで行きましたが景色が良かっただけでなんもおりませんでしたわ。

河原にはアカガネコハナバチ Halictus aerarius がいました。

あいかわらずスズメバチだけは元気で、一本の木に7匹くらいいる(しかも何故か興奮している)のを見て震えあがりましたが。

雨は止んだので景色はよかったです。

今回の採集記はこれで終わりです。コブヤハズの珍しさがわかっとらん! とお怒りの皆さまはぜひコメントの方に……。