能古島にて | 九大昆虫班のブログ

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九州大学生物研究部昆虫班です。班員が交代して更新します。

どうも御無沙汰しております、辻です。

...久々の更新ですね。

前回の更新からはだいぶ経ってますが、実はその間にも能古島調査や西表島遠征などに行きました。
しかし、記事を書く気力と時間が足りてませんので、遠征の模様などは記憶が遠ざからないうちに書いていくとして、今回はちょろっと近況報告的な感じで軽い文章を先に書きます。

能古島...博多湾に浮かぶ小さい島です。かつては全国的に希少な種が多く記録されていました。
特に、島南部の海岸後背に広がる自然裸地では、近年続々と姿を消している湿地性・草原性の希少種が数多く記録されていました。しかし、それも20世紀までのお話で、近年の宅地開発により自然裸地は著しく縮小し、現在ではもう絶滅が確定しているような種もいます。

しかし、湿地性の種は無理にしても、草原性の種は海岸の草地でまだ得られるかもしれません。そうした期待をこめて、9月後半にベイトトラップ(紙コップにサナギ粉を入れた落とし穴状の仕掛け)をいくつか埋めてきました。



...時は経ち、10月、新学期です。はい、回収に行く暇がない(笑)。

なんとか無理矢理実験のない金曜日の午後に回収に行き、バットの中にトラップをひっくり返します。中には大量のオサムシモドキが入っており、海岸環境の豊かさを示しています。なお、狙いの種は入っていません...と、ここでバットの中でオサモドとは明らかに違うシルエットをした甲虫がもがいています。もしや...





ああああああ......





ミツノエンマコガネOnthophagus tricornis (Wiedemann)


っしゃぁぁぁあああ!!!


これは嬉しい。実は能古島では過去に2つの採集例がありますが、近年の生息は確認されていませんでした。全国的に局地的な分布を示すオープンランド種で、日本のOnthophagus属ではNo.1の体長を誇ります。

この日はこれだけの成果でしたが、上機嫌で帰ったのは言うまでもありません。

あ、そうそう、オサムシモドキも近年採集例が少なくなっている海岸性甲虫の1つです。
能古島の海岸環境も隅におけませんね。間違っても今後、環境を改変するような出来事が起こらないことを祈るばかりです。