5月に実施した能古島昆虫調査について少しレポートしてみます。
能古島は福岡市近郊としては良い環境があるのですが、2006年に我々の先輩方によっていくつかの生物群を対象に調査された際、環境の改変により希少種の確認ができなくなっている場合があり、定期的なモニタリングの必要性が示唆されていました。そこで今回、2年生を中心に、少し対象の生物群を拡大して再調査をしてみよう!ということで生物調査をやってます。
まあ前置きはこのくらいで、私の調査(ゾウムシ)を中心にレポートします。
全然写真ありませんけどね!
【調査日・参加者】
5月17日 曇
4年生以上 生物防除研究所の皆さん 4名(うち1名生研)
3年生 2名
2年生 3名
1年生 3名
生物防除研究所の皆さんには、とある生き物の調査のついでに参加していただきました。
ありがとうございました。
9:00に姪浜の渡船場へ集合し、能古島まで行きます。
調査は基本的に各々行動しますが、今回私は3年生のT先輩と行動しました。
まずは南の海岸へ。
何の変哲もない海岸ですが、なにやら網で草を掬いたくなる衝動に駆られ、草を掬う掬う。
掬いまくります。

掬いまくる(?)T先輩。
ここでは、チビコフキゾウムシの一種Sitona sp.(現在同定中)やアルファルファタコゾウムシHypera postica (Gyllenhal)が採れましたが、前者がある程度の数採れて一人でほくそ笑んでいました。
その後は畑の横でオオサルハムシChrysochus chinensis BalyやコブナシクチブトサルゾウムシRhinoncus nigrotibialis Wagnerなどを追加し、渡船場へ。

オオサルハムシ(方眼は3㎜,以下同様)
集合時間の14:30に渡船場ではもう皆さん集合していたので、諸連絡の後解散。
私はその後海洋班の調査まで時間があったので、生防研の方々ととあるものを探しに行くことに。道中、空き地に犬の落し物があったので、ひっくり返すと、チビコエンマコガネCaccobius unicornis (Fabricius) が出現。ぐへへ。
生防研の方々と草を掬っていると、オオタコゾウムシDonus punctata (Fabricius) が採れました。外来種ですがなかなか得難い種なので複雑な気持ちになってしまいます。

オオタコゾウムシ
その後、海洋班の調査が始まるまで海岸で遊んでいると(始まっても遊んでいた)、流木の下からヤマトケシマグソコガネLeiopsammodius japonicus (Harold)が採れました。他のケシマグソコガネとは異なり、発生期が短く、海岸でしか得られない種です。自己初採集なので3回ほどジャンプしてから海洋班と合流したのでした。

左:チビコエンマコガネ 右:ヤマトケシマグソコガネ
海洋班と合流しても何をするわけでもなく、ナギサハネカクシの一種Bryothinusa sp.を集めたり、ヒョウタンゴミムシScarites aterrimus Morawitzと遊んd...いや、生息を確認していたり、その辺を掬ったりしていました。
今回の調査は多くのゾウムシの追加種があり、シーズン到来、という感じでした。
調査に参加された皆さん、お疲れ様でした。