【森連載記事vol.7】水がとれてくっつくやつ。それがアルコール | 化学五郎(カガクゴロウ)

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高校化学についてのブログをお届けします。

こんばんは!森です(^^)
11月に入り、一気に寒さが増しましたね(^_^;)
受験生はセンター試験まであと一ヶ月半!頑張って行きましょう!

それでは、化学ブログ第七回です!

今回はアルコールについて話していきたいと思います。

~アルコール~


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◆概要
メタンやエタンのような脂肪族炭化水素の水素原子を、ヒドロキシ基-OHで置換した構造の化合物をアルコールといいます。
代表的なアルコールにはメタノールCH3OHエタノールC2H5OHがあります。

◆性質
ヒドロキシ基の存在により、他の有機化合物とは異なった特徴的な性質を示します。
溶けやすく、有機溶媒にも溶けやすい。
・沸点・融点は同程度の分子量をもつ炭化水素に比べて非常に高い

なぜ炭素骨格でアルコールが水に溶けやすいかと言うと、ヒドロキシ基が水分子と水素結合を形成するからです。ちなみに水素結合はどの単元にも出てくる頻出概念ですよ(^o^)/
前に並木先生がこの記事で一度触れていますね。

この水素結合を切断するのにエネルギーが必要になるため沸点も非常に高くなります。ただし、炭素数が多くなるにつれてヒドロキシ基が分子内に占める割合が低下するため、水に溶けにくくなります。(炭素が4コ以上になると溶けにくくなります!)

アルコールの性質の鍵はヒドロキシ基による水素結合形成です!


◆反応
ヒドロキシ基を持つアルコールは非常に特徴的な反応をします。分子内もしくは2分子からH2Oが取れて脱水という反応です!
分子内で取れる反応を分子内脱水、2分子間で取れる反応を分子間脱水(縮合)と言います。

分子内脱水の例としてはエタノールC2H5OHの脱水によるエチレンCH2=CH2の生成反応です。この反応は濃硫酸を触媒に160~170℃(高温)で加熱すると起こります。
C2H5OH → CH2=CH2 + H2O

また、分子間脱水(縮合)の例としてはエタノール2分子間の脱水によるジエチルエーテルの生成反応です。この反応は濃硫酸を触媒に130~140℃(低温)で加熱すると起こります。
2C2H5OH → C2H5O C2H5 + H2O

ヒドロキシ基部分-OHHO-が-O-と水分子H2Oになる縮合反応は今後の有機化合物の反応を理解する上で欠かせない反応ですので、ぜひ押さえておきましょう!ちなみに温度の違いによる区別の仕方は、僕がこの記事で触れています。まだあやふやな人はぜひ読んでおいてください。


アルコールで大事なのは「性質」と「反応」です!
他にも覚えることはありません。
というのは言いすぎですが(笑)、まずはこの最重要部分を押さえましょう!

次回はアルデヒドとケトンです!

ではでは(^o^)丿



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