みなさん

天然痘って知ってますか?

 

先日の

シンクパール

難波さん

とのお話で

 

検診事業を

どの様に広げるか?

 

について

色々な話をしてきましたが

【過去記事】前回の対談記事

 

検診受診率が

約40%に届いた現状でも

・そもそも検診を知らない人

・検診結果を聞きに来ない人

・定期検診をしない人

・精密検査に行かない人

 

現実問題沢山いる

訳です

 

今後検診事業が広がって

あまり検診に対して

知識を持たない人たちまでも

検診を受ける世の中になった

としたら

 

確かに

とても喜ばしい事

なんだけど

 

上記の様な

検診に行っても

認識がゆるい人達は

逆に増えてしまう

わけです

 

その点も考慮しつつ

子宮頸がんで亡くなる人を0に!

するための方法論を

探る必要があります

 

 

そうするとやはり

HPVワクチン推進事業が

重要となってくる

のです

 

ただね

現状だと

国や自治体による

定期接種事業では

ほぼ無くなっているので

注)定期接種事業ではあるが

積極的接種推奨の中止を選択しており

広告などでHPVワクチン接種を勧めたり

助成券を対象者に送付しない

といった不自然な状況が続いている

これにより該当者の摂取率が

70%→1%以下と極端に減少した状態が

未だ継続している

 

個人個人が

打つか打たないか?

 

の議論に、

反対派の人達も

多くの医療従事者達も

議論が集中しているのが

かなり残念

 

皆さん個人

もしくは子供に対して

 

HPVワクチンを

接種するかしないか考えるときに

 

・日本で打てるワクチンは

 2種類のHPV感染を予防するので

 子宮頸がんの6、7割の発症を防ぎます

・効果は15年くらいかな?

・一回15000円くらい、通常3回

 最低2回の接種が必要

・HPVはそこら中に蔓延しているよ

・7割の子宮頸がんしか予防しないから

 定期的な子宮頸がん検診が

 やっぱり必要だよ

この説明されて

どう思う??

 

接種したいと思う??

 

正直

接種率が1%の日本では

 

1個人が接種することによる

利益としては

 

きちんと

子宮頸がん検診に

行っていたら

 

せいぜい

円錐切除の確率を

若干減らせるかな?

 

ってくらいじゃ無いかと思う

 

注意)

本当はね

2価ワクチンで防げるハイリスクHPVは

子宮頸部腺がんっていう

見つかると超厄介で

治療が大変なタイプの

原因になりやすいので

非常に有用なのですが・・

ちと今回の話の流れでは

ややこしくなる

要因になっちゃうので・・

 

話を戻すけど

何を言いたいかというと

 

HPVワクチンを

接種するかどうか

娘に接種させるかどうか?

を悩んでいる様な人達は

 

子宮がん検診の大切さについては

知っている様な人達ばかりなので

相当のバイアスがかかっていて

 

正直それだけ

知識や危機感を持った人たちが

すごく悩んでワクチンを打っても

 

全体の子宮頸がん数が

減るとは到底思えないのです

 

そこでね

今一度

ワクチンについて

考えてみたいんです

 

みんなに

問いかけたいのが

 

ワクチンって

自分のためのもの?

他人のためのもの?

 

ちょっとまた

話がずれちゃうかもしれないけど

 

ワクチン推進事業には

必ずと言って良いほど

反対派の人たちが存在する

のですが

 

その中に

【自然派】

なんて呼ばれる人たちが

必ず発生してきます

 

まさに

自然発生

防げません

 

フワッとした自然派ならば

まだ良いのですが

行き過ぎてしまうと

 

子供に一切のワクチンを接種せず

一切人工物をとらせず

医療機関もかからず

という超自然派思想となっちゃいます

 

異臭がする子供、ワクチン拒否…義妹が「自然派ママ」になりまして

http://mess-y.com/archives/56173/2

 

さて

この様なママが

自分の子供に対して

一切ワクチンを拒否して

 

仮に

結核にならなくて

肺炎にもならなくて

ジフテリアもかからず

麻疹

風疹

etcetc

 

無病息災で過ごせたとすると

 

ほら

やっぱりワクチンなんて必要ない!

自分の対応方法が正しかったんだ!

 

なんて

お花畑な事を

言っちゃう

と思うんですが・・

 

この際

はっきり言うけど

 

それ

周りの大多数が

きちんと打ってるおかげだから

 

ってことなんですよね

 

ここまできて

冒頭の

天然痘の話

に戻るのですが・・・

 

なげえよ!

 

もはや

日常生活を送る人の中では

知らない人が大多数

だと思いますが・・

 

かつて人類を恐怖に陥れた

死亡率30%を誇る感染症で

一命をとりとめたとしても

顔や体に醜い瘢痕を残してしまう病気

 

20世紀には

3億人が犠牲になった

とか・・

 

そこで

1796年に

ワクチンの走りである

種痘

を発明したのです

酒盗じゃないぞ

 

1800年から

本格的な接種が始まって

人類全てで接種を推進して

1980年

WHOから根絶宣言

を発表しました

 

そして現在では

天然痘なんて病気は

 

予防接種項目にすら入らず

 

そういえば学校で

ちょっと耳にしたかもなあ・・

くらいの知名度で

 

道行く人達に

「天然痘って何か

説明できますか??」

 

なんて聞いても

 

「はあ?

なんだこのおっさん・・」

 

みたいな返答を

される事必至です

 

別の例を挙げると

麻疹(はしか)

は定期接種に含まれるので

もう少し身近かもしれないけど

 

それこそ昔は

死亡率も高く

怖い病気だったのですが

 

予防接種の普及により

ここ20年で

死亡率を75%減少しました

 

麻疹についても

WHOは根絶計画を

打ち立てていましたが

 

日本は対策が非常に遅れ

先進国での発症が

相当数抑えられた中

 

先進国の中で

しばらく発症率が高く

他国に麻疹を持ち込むことから

麻疹の輸出第一位

という

非常に不名誉な称号

得ることになりました

 

ワクチンって

個人を守る

という意味合いも

もちろんあるのですが

 

集団予防

 

の側面が

むちゃくちゃ強い

です

 

その為には

基本みんなが

接種してナンボ

 

特に現在の様に

人・物の流通が

非常に活発な世の中では

 

世界中で足並み揃えて

みんなが接種して

初めてワクチンの

真の効果を実感できる

わけで

 

国としてちゃんとした方針を

的確に決定しないと

他国の住民にすら

迷惑をかけるのが

今の世の中なのです

 

しかしながら

ワクチン反対派さん達は

個々の感染率の低下

副反応発生率

などなどからしか議論せず

 

全体が接種することに対する

利益・不利益

については

あまり議論しないので

 

推進派と反対派が議論しても

中々噛み合わないのが現状

です

 

日本ってすでに

ワクチン事業で

何度も舵取りを失敗して

世界から寒い目で見られてる

のにね

 

さて

現在世界では

HPVそのものを

根絶しようと

舵を切っています

 

足並み揃えて

世界各国で

若年女性にHPVワクチンが

定期接種化されています

 

すでに

2億7000万回を超える

ワクチンが接種され

 

HPVワクチンは

極めて安全

 

と位置づけられています

 

さらに

ワクチンの効果として

 

HPV感染率の低下

が証明され

 

子宮頸部異形成の減少

も証明され

 

近いうちに

子宮頸がんそのものの

発症率の低下も

証明される

でしょう

 

さらに

HPV感染予防範囲を拡大し

9価ワクチンが

すでに実用化され

 

理論的には

ほぼ100%の子宮頸がん発症を

予防できると考えられています

 

さらには

HPV根絶を目指し

すでに10カ国以上で

男児への接種も定期化していて

 

 

発展途上国での定期接種も

次々と進められています

 

この様に

世界では

一丸となって

HPV根絶を目指していますが

 

日本では

その情報は全く報道されず

【過去記事】HPVワクチンの効果って報道されないねえ

 

未だに

・HPV感染予防って言っても6割でしょう?

・何で男性も打たないんだ??

・癌の死亡率は下がっていないんでしょう?

の様な

的外れな批判や

もうそれ10年前の話題

みたいな意見ばかり飛び交うのが

日本の現状です

まあ

メディアのせいだけどね

 

そうかと思うと

池田さんがやった

クソみたいな実験は

バカみたいに報道しちゃうし・・

【過去記事】池田班のやったことって?

 

池田さんの捏造まがいの報告なんて

海外で大失笑

されてるんだよ

 

日本人として

本当に恥ずかしい

 

WHOも

そんな日本に対して

再三名指しで

異例の非難をしています

 

【過去記事】HPVワクチン WHOから叩かれる日本

 

色々と語ってきましたが

途中で説明した通り

 

ワクチン接種か検診かということで

真面目に悩んでくれる様な人達が

多少ワクチン接種を選択したところで

子宮頸がんで亡くなる人は

減らないでしょう

 

日本の接種率が

1%から5%に上昇したとしても

同様でしょう

 

HPVワクチン事業で

子宮頸がんが

無くなるかどうかは

国の舵取り次第だと思います

 

国がしっかりと

情報を科学的に

中立的に吟味して

勇気ある舵取りをしないと

現状は全く変わらないと思います

 

今まで日本は

ワクチン事業では

何度も誤った舵取りをしてきましたが

今回こそはきちんとした判断を

期待したいのです・・

 

無理か・・

 

まとめ

色々と

長ったらしく

書きましたが

 

今の世の中が

天然痘の事なんて

ほとんどの人が知らなくても

 

それ以前の人達がどんなに

苦しんだかを知らなくても

 

医学がどう立ち向かったかを

知らなくても

 

今天然痘について

何も考えなくても

脅威にさらされない世界って

素晴らしいと思います

 

そして

自分は産婦人科医で

子宮頸がんの怖さも

重々知っているから

尚更思うんだけど

 

20年後30年後に

 

「子宮頸がん?

HPV感染症?

何それ?」

 

なんて世の中に

なっているといいなあ

と心から思うのです

 

今は頸がん検診で配られる資料や

教科書的には

 

「HPVは

非常にありふれたウィルスで

大多数の女性が

人生に一度は感染します」

 

と書いてありますが

 

それ自体が

書き換えられたらいいなあ

と切に思うのです

 

上矢印上矢印上矢印

コルポスコピーの写真

たった20cm先に見える癌と

ずっと闘い続けて

ずっと悔しい思いをしているのが

産婦人科医なのです

 

 

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