フルニトラゼパムの青について | kyupinの日記 気が向けば更新

フルニトラゼパムの青について

 

フルニトラゼパム(商品名、サイレース)は、犯罪防止のため青い色が付けられているが、上の写真のようにPTP包装のままではそこまで青くない。ハルシオンのような青色ではないのである。

 

なお、フルニトラゼパムの先発品はサイレースに一本化され、2018年にロヒプノールは発売中止になっている。これはロヒプノールを発売していた中外製薬がエーザイに権利を委譲したことにより、商品名を一本化したことによる。

 

過去ログでは、ロヒプノール、サイレース、フルニトラゼパムの微妙な効果の相違について記載した記事がある。

 

 

ロヒプノールとサイレース及びフルニトラゼパムは、構造式としては同一なものだが、製法上の微妙な違いやコーティングの成分などにより、若干、効き味が違うらしい。

まず、先発品の2剤ですら差があり、ロヒプノールの方が濁りがない効き味なんだという。透明感とも言おうか。また、ロヒプノールに比べ、フルニトラゼパムは若干、重いらしい。

ただし、この差がわかる人は10~20人に1人くらいである。

 

以上抜粋。

 

今でもたまに「フルニトラゼパムは困る、サイレースにしてほしい」と言う人がいるが、僕は患者さんがなぜそう希望するか聴き、たいてい希望通り処方する。院外薬局には双方、在庫があるからである。フルニトラゼパムとサイレースの相違がわかる人はかなり繊細な感覚を持ち合わせていると思う。

 

最初に挙げた写真のようにフルニトラゼパムは見た目、そこまで青くはないが、水に溶かすと青くなる仕様である。青さもハルシオンほどではないので、患者さんに青い眠剤と行ってもピンと来ない人すらいる。

 

なお、隣に並べて撮影しているカプセルはアタラックスPであるが特に意味はない。アタラックスPのカプセルは小さいので、フルニトラゼパムの大きさを示せるように挙げたが、読者さんがいずれも知らない薬だと何もわからないのであった。

 

中外製薬がエーザイに権利を移譲したのは、たまに犯罪に使われるため販売に嫌気がさしたわけではなく、ある種のリストラなんだろうと思う。併売品が時間が経ち、一方しか発売されなくなるのは、ロヒプノールに限らず時々あることである。

 

日本では、フルニトラゼパムはベンゾジアゼピン系の睡眠薬に過ぎないが、海外では麻薬扱いの国もあるので、海外旅行や仕事でしばらく滞在する時は十分に注意したい。行きたい国がフルニトラゼパムを持ち込めるかどうかは、大使館に聴くとわかるが、大使館も急に言われても準備していないので余裕を持ち調べておきたい。

 

最近、このような事例があり、その国で違法扱いなのは分かっていたが、フルニトラゼパムから他の眠剤に変更するのに手間取った。その理由は、なんだかんだ言って、フルニトラゼパムは強力な眠剤だからである。

 

フルニトラゼパムは過去ログも触れているが、日中の精神症状を改善し、仕事がしやすくなる人が実際にいる。

 

精神科医は、フルニトラゼパムは上手く使いこなすべき向精神薬の1つである。以下の記事も参考にして欲しい。

 

 

参考