エビリファイの自閉性障害への処方理由のことなど | kyupinの日記 気が向けば更新

エビリファイの自閉性障害への処方理由のことなど

エビリファイの適応について、小児の自閉性障害に使うにはあまりに副作用が大きいのでは?という話が出ているが、元々、向精神薬の副作用の出現率は相当に高いのでこの薬が特別ではない。エビリファイの副作用が多いのなら、それ以外に困る薬が相当にある。

 

エビリファイに限らず小児に対する向精神薬の処方方針は対症療法であること。

 

うちの県では、エビリファイ1㎎錠や液剤は発達障害専門の小児科を主に非常に多く処方され、今やなくてはならない薬らしい。(具体的な数字までは知らないが)。

 

例えは小学校の図工の授業中に、発達障害の児童が彫刻刀で他の児童を刺すと言う事件があった。この事件以降、その小学校では彫刻刀は授業が終わると学校で預かることになった。

 

このような衝動性がもし何らかの向精神薬で抑えることができ、他の児童と一緒に授業を受けられるようになるのなら、その児童の将来は(その治療をしないよりは)かなり良いものになる可能性が高い。

 

つまりこのような時も、向精神薬の必要性は相対的なものだ。(社会的なものが関与する)

 

例えば、過去ログに「プレッパーズ~世界滅亡に備える人々~ 」という記事がある。このような生活なら、エビリファイもコンサータも必要ない。

 

同じ教室に彫刻刀でうっかり他の子を刺してしまうような子がいるのなら、他の子の父兄から苦情が出る。

 

だから、こんな副作用が出る薬を次々と発売するなんて、というのは、自分の子供ないし家族しか見ていない独りよがりな苦情だと思う。

 

また精神医学的な視点で、子供たちの忍容性は多様なので選択肢が多いことは、結果的により副作用の少ない薬を選べると言う点でメリットが多い。副作用の有害性が前提になっているから、このような妙な話になるのである。

 

服薬が必要なレベルの子供を治療も受けさせずに登校させるのは、周囲に相当なストレスを強いる。このようなことも、その家族の視野狭窄な点の1つである。このようなことから、多くの精神疾患の中でも自閉性スペクトラムはかなりホモジニアスな疾患群のように精神科医からは見える。それは、遺伝率や家族集積率を見てもそうである。

 

過去ログに「アルファベットの単語が憶えにくい 」という記事がある。この中に出てくる子は他の子供に迷惑をかける状況にないが、親と子供の視点で同じようなことを記載している。

 

参考

長嶺敬彦「抗精神病薬の「身体副作用」がわかる」の感想

人生として成立していないほどの精神状態