入浴した時にとても不器用

ある時、患者さんから、

入浴した時にとても不器用で体を洗ったりするのに時間がかかる。

という話が出た。日常生活で特に入浴と歯磨きが辛いと言う。当時、彼女にはトピナを使っており、「たぶんトピナの副作用だろう」と説明した。

素早くできないですね。言葉はつまらないんですけどね。

と言うので、トピナの換語障害はないが、一見、わかりにくい部分に副作用が出ている。他の向精神薬も服用しているが、トピナを入れ始めて出現しているし、中止すると消失するのでトピナの副作用で間違いないと思われた。

トピナは彼女にとって煩わしい幻覚をかなり減少させていたので、減量して対応したが、150㎎くらいでは副作用は結構出るが、25～50㎎ではほとんど目立たなくなることがわかった。

結局、本人と話し合って、少ない量で様子を診ることになったのである。

トピナは有用な薬ではあるが、種々の珍しい副作用を持つ抗てんかん薬である。

特にニセモノの双極性障害や統合失調症の種々の精神症状には有用である。（本物の双極性障害や統合失調症に無益という意味ではない）

参考
トピナ再考
学習障害とトピナ
躁うつ病は減っているのか？
統合失調症は減少しているのか？
いま、私、躁状態になってませんか？