ロゼレムとベンゾジアゼピン系眠剤 | kyupinの日記 気が向けば更新

ロゼレムとベンゾジアゼピン系眠剤

ロゼレムは、従来のベンゾジアゼピン系眠剤と異なり、睡眠の質を改善するタイプである。

当初、ロゼレムは、多くの眠剤を飲んでいる人に追加処方しても、たいしてインパクトがないと思われていたところがかなりある。

ロゼレムを処方して、最も理想的なパターンは、ベンゾジアゼピン系眠剤を一掃出来ることだが、そのような人は実に少ない。10人に1人もいない。これは普段、どのレベルの精神疾患の患者を診ているかも関係していると思う。

それでもなお、ロゼレムを契機に、一切の眠剤を服薬しなくても良くなる人がいることも事実である。

ある患者さんは、このような処方であった。

アモキサン 50mg
ロヒプノール 4mg
ハルシオン  0.25mg


僕はロゼレムをかなり処方する方で、最初はたいてい0.5錠、あるいは稀に0.25錠を処方するが、この手法は添付文書的には推奨されていない。これは過去ログの「ロゼレム」の記事を参照。

眠剤と一緒にロゼレムを追加処方すると、日中、眠くて仕事ができない人がおり、少量を夕方ないし夕食後に服用させるのがミソである。このようにすると、いくらか眠さが減じるが、それでも難しい人もいる。

上のアモキサンの人だが、ロゼレムを0.5錠を夕方に服薬するように指導したところ、スッパリ、ロヒプノールとハルシオンが止められたという。

これは凄い!
貴方のような人は10人に1人もいない。


と患者さんに伝えると、

え!そうですか。

という驚いたような反応だった。僕はロゼレムは眠剤を減量するのが意図なので、自主的に減量するように指導していた。ところが、本人はなぜかいきなり止めた模様。たいした反応もなかったらしい。

この話は、ロゼレムがどうとか言うより、夜間の不眠なるもの、本質的な日中の調子が改善しないと、なかなか減量できないことも良く示していると思う。

参考
ロゼレム
デパス、ソラナックス、ワイパックス