小さな野うさぎ | kyupinの日記 気が向けば更新

小さな野うさぎ

もう20年以上前の話だが、アルコール依存症の年配の男性を往診で収容したことがあった。彼は何度か入院歴があり、面識があるので比較的対応しやすい往診といえた。

その家はとんでもない田舎にあり、数軒の家の小さな集落の中の1つだったが、周囲にコンビニに1つない不便な場所である。また、その家に着くまで病院から車で1時間以上かかり、また途中でどうしても大きな車では通れない場所があるため、軽自動車で行かざるを得ない。

しかも舗装されていない道もあるため、まさに行くまでもが拷問といえた。

その家も土間があるような古い家であった。そこで、なんと小さな野うさぎを見たのである。

その野うさぎはまだ子供で、比較的大きい鳥かご?に入れられていた。

第一印象としては、

小さくまるっとしている。

といった感じ。あれには拷問の後だけに気持ちが和んだ。あのピーターラビット色というか、野生の野うさぎをどんな風に捕ったのか興味があったので、聞いてみたら畑にいたところを捕まえたらしい。

あの野うさぎは是非写真を撮りたいと思ったが、かなわなかった。そういう準備はして来なかったからである。

当時も思ったが、あのような子うさぎは捕るべきではないと思う。まだ子供じゃない。

そういえば、似たような話をよく親父がしていた。親父は反面教師なので、年齢を重ねるうちに思ったり言うことが似てくると、なんだか複雑な気分になる。

参考
将棋の話
ライトプレーン
患者さんの兄ちゃんの運転