リスパダールコンスタとリスパダールの併用療法 | kyupinの日記 気が向けば更新

リスパダールコンスタとリスパダールの併用療法

リスパダールコンスタは一度筋注を始めると、途中で止めたとしてもすぐに体内から消失しない。概ね7~8週間かかると言われているが、これはよく考えると大変な長期間である。

リスパダールコンスタはリスパダールより、副作用(EPS、抗プロラクチン血症、便秘など)が少ないが、より賦活効果もあるため、リスパダールより非定型抗精神病薬らしさがあるといったことを過去ログに記載している。

しかしこの賦活が仇になり、幻聴や不安定さが爆発することがある。

だから当初、数ヶ月良くても楽観はできない。僕は数名の患者さんで、開始後の悪化のために中止したことがあるが、悪化直前の経過があまりに良かったため、もう一度トライした人も数名いる。

1名はリスパダールとリスパダールコンスタの併用である。

リスパダール2mg
リスパダールコンスタ 25mg(2週間ごと)


この人は元々リスパダール4mgの人で概ね換算通りである。

なんだか変更の途中の処方のようだが、この方が表情が明るくて抑制が効き安定している。これだとコンスタの単剤処方より幻覚妄想の再燃が生じにくいのである。この処方は入院患者さんであれば優れている。

外来だとなぜ不満なのかと言うと、元々リスパダールコンスタは服薬の不規則さを解消することで症状の安定を狙っている面もあるから。外来患者さんだと、その不規則さの問題がクリアできない。

上の処方は、全く別の薬の併用療法の感覚であり、精神症状の安定と言う点で、相補的である。だから、

リスパダールコンスタ25mg(2週間ごと)
セレネース3mg


などの処方も妙ではなく、もちろん治療方法として成立している。

参考
リスパダールコンスタとリスパダール
単剤処方は美しいのか?