ブログとインターネットの世界(前半) | kyupinの日記 気が向けば更新

ブログとインターネットの世界(前半)

今から3年くらい前だろうか?東京に遊びに行った時、あげぞうさんと新宿で飲んだ。あげぞうさんはこのブログでは、ラグビーなどのエントリでコメントがある。(詳細1詳細2、 詳細3

その時、何の話をしていたのかもう記憶にないが、別れ間際、「これからはブログですよ」と彼は言ったのである。当時、ブログという言葉自体がまだ周知されていなかった。今でも知らない人が多いと思うけど。その時、ブログとはいったいどのようなものなのか彼に問うた。当時、まさか自分が本当にブログを書くようになるとは思わなかった。

ずっと以前、あめぞうに書き込みを行っていた頃、たぶん2000年以前と思うが、今の掲示板と雰囲気が異なっていたように思う。当時のあめぞうでは、1つスレッドが立つと、レスが数個からせいぜい20個くらいしかつかなかった。しかしそのレスは非常に考慮されて書かれており、1つだけでも完結していたのである。駄レスの入り込む余地はなく、まさに職人芸で、そのスレッドはある意味、芸術品と言えた。

掲示板といえば、ヤフーと2ちゃんねるであるが、ヤフー掲示板は、当時からきわめて使い勝手が悪かったので、2ちゃんねるの方がよりアングラであるが面白さでは断然上回っていた。2ちゃんねるはたぶんあめぞうに由来すると思うが、初期にあめぞうの雰囲気をよりカジュアルにし、駄レスもOKという敷居をずっと低くしたところが新しい点だったと思う。これは西村氏の功績と思われる。

2ちゃんねるもあめぞうもオフ会に出ない限り匿名性は保たれており、あんがい面白く真実の情報も得られるのである。コンピュータ系の掲示板では、「ヤフーより2ちゃんねるの方が高いレベルのレスが返ってくることが多い」という書き込みも見たことがある。僕は一時、マックの謎のフリーズに悩まされていたが、質問したらあまりに簡単に解決したので感動したことがある。

僕は当時、2ちゃんねるとあめぞうを五分五分に書き込みをしていたが、あるあめぞう掲示板の住人から「kyupin先生は、この掲示板で何か調査をしているのですか?」と聞かれたことがあった。おそらく日頃忙しい精神科医なのに掲示板に書き込むのは何か理由があるのかもしれないと思ったのだろう。

この理由だが、特に目的はなかった。しかしあのような掲示板に長く住人としている精神科医はさすがに滅多にいないと思うので、掲示板に常駐する人々、いわゆる「インターネットの住人」については普通の精神科医よりわりあいわかっている方ではないかと思っている。(参考1)ごくたまにそのような人々の心性を書くこともあるが、未だに自分の意見をまとめて書いたことがない

あげぞうさんなどは、時々ヒール役も演じていたので、最初に会う時どんな人なのかと思ったが、実際に会うと予想よりずっと若く、思っていたより好青年であった。また、「あの時に煽ってすいません」と謝るような言葉もあった。そんなこと、もう覚えてないって。

掲示板のコテハンはそう多くはないし、彼らはオフ会にも出ているので、このコテハンはどのような人なのか知っていることが多い。だから時間が経つとなんとなく馴れ合いになり、今までできた鋭い突っ込みができなくなる。そんなこともあり、個人的には掲示板を真に楽しむためにはオフ会に出るべきではないと思っている。実際、あげぞうさんも会ってからは一度も僕に対しては煽り的な書き込みはしていない。だから時間が経つと、掲示板も完全に匿名性の保たれる世界とは言えなくなるとは言えた。

コテハンはいつかも書いたが、叩かれやすい存在である。これは、コテハンをしてみればわかる。このブログでのkyupinはまさしくコテハンではあるが、ここは掲示板ではなくブログなので、ちょっと存在が違う。ブログ主になるからだ。

僕は実生活のキャラとバーチャルのキャラをうまく変えることができない。おそらくかなり不器用なんだと思う。だから、kyupinはそのまま精神科医の自分を表している。きっとみんなに精神科医とわかっているので、そう滅茶苦茶な書き込みもできないと思っていたのかもしれない。今でも「2ch 常連ガイド2000」なるサイトが検索で上がってくる。

1 kyupin
2 病院、医者/身体、健康/躁鬱 その他
3 マジレス
4 精神科医。実は2ちゃん開設当初から居る。精神疾患のスレッドには欠かせない存在。


コテハンをしている人ならわかるが、このハンドルネームはその人そのものであり、何か中傷されたり批判されたりすると、そのままけっこう心に堪えるのである。バーチャルなのに不思議なことなのだが。

このようなことは、カイゼルひげ氏やテリ造氏はこれまでメンヘルの掲示板でさんざん叩かれてきているので良くわかると思う。これは面と向かっては到底言えないような言葉でも、バーチャルな世界では言えるという点が重要で、これがインターネットの特別な点でもある。これはたぶん相手をよく知らないからできるのだと思われる

僕が2ちゃんねるメンヘル板での書き込みを止めた大きな理由は、ある特定の煽らーから粘着されて、どうしようもなくなったことが大きい。あれは、当時のメンヘル板では大事件であった。匿名の掲示板ではそのようなことを止めることが容易ではないからである。結局、kyupinとして書き込みを続けていくことに嫌気がさし、完全に書き込みを中止したのである。

執拗に特定の人を中傷するのは、どこか心を病んでいるのは間違いないが、どんな病気なのかというのはわからないと僕は思う。