今日は、記憶法などの説明では必ず登場する忘却曲線についてです。(第14号)
19世紀のドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウス(Ebbinghaus,Hermann,1850~1909)は、
記憶と忘却の時間的関係を測定するために、
「子音・母音・子音」の意味のない3文字綴り(「YUK」「MEV」のようなもの)を暗記し、一定時間経過後、どの程度思い出せるかを実験によって調べました。
この結果をグラフ化したものが、有名な「忘却曲線」です。
→http://www2.chokai.ne.jp/~assoonas/UC415-01.GIF
しかし、この実験で使われた記憶用の3文字綴りは、
「RUP・GOX・PIM」など
意味を持たないものでした。
ですから、無意味なものは覚えにくく、
忘れやすいので、
意味を理解しない丸暗記が、
いかに大変な作業であるかが分かります。
記憶内容の意味づけ
「YOU DID NOT SAY YES BUT SHE CAN EAT ONE EGG」のように、無意味な単語の羅列ではなく
「あなたはイエスと言わなかった。しかし、彼女は1つの卵を食べることができる」
というように意味をもった内容でイメージをしっかり持つことができれば、
記憶は深く確実なものになるはずだ。
既得の知識との関連づけ
電流や電圧ということを知らない人に
「電流=電圧÷抵抗」というオームの法則を覚えさせようとしても、
「でんりゅうはでんあつわるていこう」という呪文をとなえるようなもので理解度は低く、
短時間のうちに記憶から消えてしまうだろう。
ところが電流や電圧についての既得の知識がある人に
とっては、
「抵抗」という考え方やオームの法則は新鮮な知識として受け入れられ、
一生役立つ力として定着するはずです。
相互の関連づけ
上記の2つに似ているのだが、
1つ1つの学習内容は学習者にとって初めてのものであっても、
それぞれを関連づけることにより1つのまとまりとして覚えることができるものも多い。
例えば7つのものをまとめて覚えた場合、
1つのものを忘れても他の6つを覚えていれば、
補完することで忘れたものを思い出すことができるという例もあるだろう。
体験との関連づけ
「○○県の県庁所在地は△△市」ということを暗唱するのは大変だが、
その市に行ったことがある人にとっては、
暗記しようと頑張ったりしなくても「○○県の県庁所在地は?」
という問題に答えることができるはずである。
体験と結びつければ記憶は確実で消えることがない。
分かりやすかったので、
http://www2.chokai.ne.jp/~assoonas/UC415.HTML
より抜粋しました。
記憶のメカニズムを知っておくことは、
勉強をするうえでは重要です。
これを利用して、いろいろな記憶法が開発されているのです。
ついでに、
いろいろな勉強法について紹介しているサイトを見つけましたので、
自分で早く情報を手に入れて実践したい人は、
こちらから覗いてみてください。
子育て教育と受験に合格するための勉強法を紹介する教育応援サイト
"http://hiroba-yumehoosen.seesaa.net/"
紹介されている勉強法をすべて確認したわけではありません。
あくまで参考ということで紹介します。
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編集後記
忘却曲線をみると、勉強するのが嫌になるくらい、
人間は忘れる動物ですが、この能力があるから生きていけます。
つらいこと悲しいことの記憶が、
いつまでも鮮明に残るようだとつらくて生きていけません。
嫌なことは早く忘れて、人生を楽しもう。