呆然――。
アナスタシア シベリア杉シリーズの本に感化され、私もいつかは自分の祖国を持ちたいと思っていたけれど。
まさかこんなに急に手に入ることになったなんて…!
さあどうしよう。
気づけば、もうお昼をとっくにまわっている。
アナスタシアは言ってた。
祖国をどういう風に創るか、時間をかけてイメージを固める必要があるって――。
イメージ、固めておけばよかったーーー!!!!
といっても、もう手に入ってしまったのだから嘆いてもしょうがない。
どうしよう…。
とりあえず、地図でも書こうかな。
どの場所に何を植えるのか決めて…
家の場所も決めて…
入り口も決めないと。
うーん、やる事がたくさんある!!
とりあえず、入り口…。
道っぽい所に車を止めてあるから、今車を駐車してある場所を、簡易出入り口にしようかな。
さあて、お次は…。
あ、井戸!
ここに住んだら井戸掘りたいから、井戸の位置を決めて、その近くに家を建てよう。
井戸…って、どうやって掘るのかしら…。
ググるか。
えーっと、なになに…
1、ボーリング調査のデータを調べる
2、役所に聞く
3、近所の人に聞く
…3は無いかな。
近所に人いないし。
近所遠いし。
ボーリング調査って、初めて聞いた。
ググって……ああ、そういうことね。
地質調査データみたいなものなのね、へぇ。
2が一番簡単そうかな。
というわけで、車を走らせ役所に到着。
目指すは下水道管理課。
井戸を掘りたいのですけど…と、相談がてらに、どうしたらいいのかも聞くと、下水道使用の申請が必要とのこと。
そして、この辺りの下水道料金の相場も教えてくれました。
お金かかるのね…。
というか、下水道完備していなかった時代は、排水をどうしてたんだろう?
井戸から水をひいて、使ったお水は畑や敷地内にまいてただけなんじゃないかな。
もし下水にパイプを使うとしたら、パイプの工事や、パイプの取り換えも必要になってくるだろうし…。
今度調べてみよう。
あ、それに、昔の日本のボットントイレの時って、下水処理どうしてたんだろう???
肥溜め?
ボットンしたとき、何で拭いてたの???
これも調べないと…。
あーもう、土地手に入れる前に、ちゃんとシュミレーションして、いろいろと前もって調べておけばよかった!!
とりあえず、今日は今まで住んでた自宅に戻って、PCで色々調べよう――。
祖国創りの第一日目は、土地を見に行って、役所によって、そしてまたすぐに自宅に戻ったのでした。