ブログの書き方レッスンを受講してくれているみなさんに
「観察すること」という話をします。
わかりやすいように
自分が経験して
ケイタイのメモにキープしていた文章を見てもらったりします。
「ハンバーガーショップで人を待っている。
この時期にしてはかなり涼しいのだけれど、オープンカフェスタイルの一番野外の席をチョイスした。
それは、外と中のギリギリの席に座ってる女性のテーブルの上に灰皿と銀色のジッポが置いてあったから。
この席なら完全風上、というか外。
自分もタバコをやめて20年以上になる。
喫煙者の気持ちもわからないことはない。
しかし
飲食店での喫煙はいまどき百歩譲って分煙だよねと思ったりする。
間髪いれずにお客さんはやってくる。
ランチタイムってこともあるからだろう。
そこにひとり、男性がやって来た。
その銀縁のメガネをかけて白髪交じりの短髪の男性は、席につくなり他人の迷惑とは無縁モード突入で、携帯電話で話し始めた。
ちょこっとだけ耳をすましてみると、どうやら保険会社さんかだれかと自ら起こした事故について対応策の打ち合わせをしているらしい。
自動車を運転していて歩行者と接触してしまったようだ。
なおかつ、別の日に自分ひとりでその事故現場の検証をしていたら、駐停車違反でキップを切られ、免停の危機だと言っている。
比較的おだやかな口調なのだけど、どうにもシャクにさわる感じで、周りの雰囲気を著しく悪くしている。
すぐ前の席に座っていた若いOLさんは、
「私の今日のランチタイムを返せ。」
とばかりにその男性をキッとニラんで、そそくさとお店を出て行った。
しばらくしてやっと店内のBGMがリデルだったことに気づく。
彼が電話で話すことをやめたから。
それもそのはず
彼が注文していた商品が来て
一心不乱にかぶりついているから。
少しして店内のBGMがかわった。
そんなタイミングを見計らっているはずもないが
さっきの携帯電話の彼が、店を後にした。
お店の外にこれまた違法駐車した軽トラックに乗り込んで
彼は走り去っていった。
つくづく懲りない人らしい。
待ち人は、まだ来ない。
湿気を帯びた風が、雨を運んできそうな、そんな昼下がり。
「どんな具合ですか?」
メールの送信ボタンを押してみる。」
この程度の観察なら
本を読んでいても
アンテナさえ
興味のある方向に少しだけ伸ばして
チューニングのレベルをあいまいにしながらも
配分比率みたいなものを
ちょっと強めにしておくだけで
リアルタイムにメモなどを取らなくても
アタマの中のメモリーに
刻み込むことはできます。
この観察だけでも展開や脚色の仕方によっては
その姿を物語に変化させることもあるでしょう。
さらに
このベースを基に
視点を変えてみたりすると
たとえば
「このお店で働いているバイトの店員さん」目線だったり
「接触事故の経験者目線」だったり
「自動車の傷害保険の担当者」目線だったり
「ランチタイムを楽しみにしているOLさん」目線だったりに
立ち位置を変えてみるだけで
さまざまな肉付けや
読者に興味を持ってもらえるようなプチ情報(知識欲をくすぐるような)を盛り込むこともできますし
自分の得意分野をアピールすること(セルフブランディングの手法の一つ)もできたりするわけです。
毎日いろいろな時間に
いろいろな場所で
いろいろな出来事と遭遇しています。
気がつくか
気がつかずにスルーしてしまうのか。
ぼくは娘にもよくこんな話をします。
「電車乗ってたりするときにヘッドフォンで音楽聞いてたりするのこわくないの?
っていうか、もったいないじゃん。」
そうそう、我が家では、歩行中や自転車に乗っている時には耳をふさぐようなこと(ヘッドフォンで音楽を聴きながら)は禁止ルールとしています。
これは危険回避という理由でです。
電車に乗って移動中などの場合は
バカみたいな大声で、自己顕示欲を満たしている品の無い他愛もない会話という雑音にイライラするかもしれませんが
それすら
小耳にはさんでさえおけば
どこかで
何かと
結びついたりして
おもしろいアウトプットができたりします。
知らない言葉を調べるきっかけになったりするんです。
すべてを覚えている必要など全くないです。
そのときにはピンとこないのですが、なぜか記憶に残ったワードやセンテンスがあります。
どうして自分はそれに反応し、記憶したのかを辿ったりすることで
またまたひとつの物語がはじめられます。
オチがあるとかないとか
おもしろいとかおもしろくないとか
そんなことはあまり気にせずに
自分のコトバで書いてみる。
このあたりに
ヒミツがあるんですね。
ニュースをコピペしたり
それより一歩進んだつもりになってそのニュースを評論家気取りで解説してみたり
そういうことする人は山のようにいます。
読んでてつまらない。
自分で経験したことを
自分のコトバで書く
このレッスンを積んでいけば
自分のテーストやリズムが
だんだんと
出てくるものです。
いま書こうとしている文章
誰かのパクリじゃないですか。
それは
あなたのコトバですか。
This is HASHIMOTO☆QUALITY