エキセントリックに口をふさいでも | エキセントリックソリューションズ(株)          代表取締役社長のブログ

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商社で


海外の事業に携わって


企画入札などに参加している人、またそのような経験がある人は


今回の


中国の高速鉄道の事故に触れて


思い浮かべるところが


少し違うと思います。


山崎豊子さん原作の「不毛地帯」という本を読んだ人や


最近では、一昨年にCX(フジテレビ)で、唐沢寿明さん主演でドラマ化されたモノを見られた人の中でも


ピンときた人が多いかもしれません。


「不毛地帯」の前半部分で描かれた


航空自衛隊の次期主力戦闘機選定争いのくだりの中に

その「異なる思い」のトリガーがあります。


主人公、壱岐正が所属する近畿商事が担ぐ、ラッキード社の『ラッキードF104』


対する東京商事がプッシュするグラント社の『スーパードラゴンF11』


政治家を巻き込んだ様々な利害関係などが描かれ


根回しから、裏金の使い方、情報戦などの手練手管もリアルでおもしろいです。


そんな中、アメリカの空軍基地でテスト・フライト中だった『ラッキードF104』が墜落事故を起こすという事態が発生します。


原作が書かれた時代背景には、インターネットなど存在しませんので


それが、新聞記事になることを何とか阻止しようとします。


国家として買い上げようとしている対象物が事故を起こす。


これほどのダメージはありません。


これこそが


今回の中国高速鉄道の事故からその後の処理までの一連の中にうごめいている


もう一つの思惑なのです。


中国は、今回大きな事故を起こた、ニュースにはならないところでもトラブルを起こし続けている高速鉄道の技術について


アメリカをはじめとして世界の主要鉄道計画国に対して新幹線の特許を申請しているという話が出ています。


日本、ドイツ、(ちなみに直接的な関与はないですが、今回事故を起こした車両はカナダのボンバルディア社がもろもろを提供。結果的に大変な迷惑をこうむっています。)から新幹線技術を導入後


自信満々で、100%中国のオリジナルであると主張してきたのです。


それは国家プロジェクトとして、今回の高速鉄道の技術を他国へ販売をすることが最終目的です。


国としての技術力もアピールできますし、何より莫大な利益が生み出されることは言うまでもありません。


そのイケイケ状態の中での今回の出来事です。


事故車両を土に埋めたくもなるでしょう。


安全確保ができなくてもすぐに復旧したように振る舞いたくもなるでしょう。


現在最も大きな高速鉄道のプロジェクトは


アメリカのカリフォルニア州で計画されている高速鉄道への車両供給の入札で


ドイツのシーメンス社


フランスのアルストム社


カナダのボンバルディア社


などが名乗りを上げていますが


圧倒的に低い見積もりと特許取得という看板を引っ提げて中国が参加するといわれていましたが


今回の事故とその後の対応によって


中国の売り込み成功の確率はきわめてゼロになったといわれています。


信頼を回復することが非常に難しいだろうともいわれています。


これによって安全性がプライオリティの上位となることは当然であって


「安かろう悪かろう」では競争のテーブルに乗せてもらえません。


安全性を第一に考えれば


現在日本にある原子力発電所は、ストップするという選択肢が盛り上がることはアリでしょう。


しかし


その一方で


メイド・イン・ジャパンの原子力発電に関する技術、ハードとソフト両面が国にもたらす様々な利益をも放棄することになるという現実が見え隠れしているということもアタマに入れながら


いろいろなところで


いろいろな人が発言している内容を


自分なりに受け止めてみると


一方的に、一つの方向に流されるままにならないかもしれません。


日本の新幹線の技術は


川崎重工業さんが中心となってJRさんとともに築き上げてきた経験と知恵と工夫、技術革新がぎっしりと詰まっています。


今回も350kmでの運行走行を主張する中国側に対して、川崎重工業さんは290kmまでのギャランティしかできない(日本でのテストと知見より)ことを最後まで主張し、それを中国側に認めさせています。さすがです。


これこそジャパン・クオリティそのものでしょう。


高速鉄道を導入する理由はなんでしょうか。


「その鉄道を利用する人やモノを早く安全に目的地に運ぶこと。」でしょう。


駅ができて、その周りに人が集まって、地域が活性化してそこに利権が発生するとか


建設工事によって、モノが動き、お金が動き、雇用が発生するとかは


より速く、より安全に、より低コストでと技術革新が進むといのも


真の目的の前には


オマケみたいなものでしょう。


「まさか日本が」と


「やっぱり中国だから」の違いを


いまこそ


よく噛みしめなければなりません。


「なんで、一番じゃなきゃダメなんですか。」って言ってその後の方向性の選択肢を自ら狭くしてしまった人もいました。


その言葉ばかりクローズアップされましたが


誰か正解らしきものを提示しましたか。




これを単なる時事ネタととらえるのか


自分の周りに置き換えられるのか




目的は


真の目的は


なんだったっけ



必死に口をふさいでも


ジロジロと目で見て


アタマが記憶しています。





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