ひとりの土曜日
ただただ晴れていることが
ひたすらありがたい土曜日の午後
東京都内では、放射性物質のリスクなど無いに等しくて
普段通り
8kmランに出発します。
小さい子どもさんたちは、元気な声をあげて楽しそうに遊んでいます。
おとうさんとこどもさんのペアが多かったような気がしましたが、これも普通の週末レベルだと思います。
野球場では、予定通り少年野球チームが集まって熱戦を繰り広げています。
木陰では、おにぎりをほお張りながら反省会をしていたり
いつも通りです。
もう一つの野球場では、友だち同士が集まって、バッティング練習をしています。
ピッチャー役の子が投げたボールが、バッターの子の背中に直接当たります。デッドボールというヤツです。
彼らは、メジャーリーグ張りの乱闘シーンを笑いながらふざけては、大笑いしています。
ワンちゃんと散歩している人もたくさんいます。
年齢を問わず、なんとなくいつもより距離感の近いカップルたちが散歩をしています。
ホウレンソウや牛乳で風評被害が心配されています。
ぼくは、同時に東京都の現状についての雰囲気についての風評被害みたいなものを心配しながら
いつも通り
いつものスピードで走っています。
落ち着いてきたのかな
そろそろ普通でイイのかな
不安もあるし
被災された方や被災地
避難されている方々や安否不明の方々がまだまだたくさんいるという現実をしっかりと心に留めながら
そろそろ普通でイイのかな
って
街中が
そろりそろりと
動き始めています。
いや
もう動いています。
おかあさんとおとこの子が、それぞれの自転車に乗ってぼくの横を通り過ぎます。
おとこのこが
「ねえねえ、おかあさん。この花ってミツあるんだよね。」といって道ばたの花を指さしながら自転車をとめました。
おかあさんも自転車をとめながら
「あ~、そうかもしれないね。せっかくだから吸ってみたら。」と言いました。
おとこのこは、その道ばたの小さな花を手に取って、言われた通り口に含みます。
ぼくは、ジロジロ見ているわけにもいかないので自分のペースで前に進みながらも彼の反応を背中に感じたくて耳をダンボにします。
「おうぇ。まずっ。」
ぼくも思わず吹き出してしまいました。
この笑いには
このシチュエーションには
不謹慎などというフレームがなくて
ユーモアというモノの本質が見え隠れしていたと思います。
ひとりの土曜日
でも
ひとりぽっちではない土曜日
This is HASHIMOTO☆QUALITY