平成の39 ⑧ | ネクラな少女時代と大人になってからの統合失調症

ネクラな少女時代と大人になってからの統合失調症

 貧乏、体罰、イジメ、モラハラから生まれるマイナスな感情を受け止めてくれる人を探しています。

 それは、
「ガーッ!ゲーッ!ゲッ!ゲッ!」
とコウジンが痰を吐く音だった。もちろん人間味のあるメッセージなど全くない。タマキが通常勤務の頃には弟分のようにつき従って飲みに行ったりしていたのに…彼は執行委員で組合員を守ってやらなければならないのに…痰の量はおつゆ茶碗半分くらいだった。他人の痰を耳鼻咽喉科以外でそんなにたくさん見たのは初めてだった。それは私の足元に小さな流れを作った。私はここで怒っては女性労働者が初めて産休を取ることにケチがつくと思った。私は黙ってその小川を跨いだ。そしてタマキのお見舞いに行った。コウジンは専門学校卒でタマキと私は4大卒だった。男性が女性を、蔑む気持ちとコウジンの学歴コンプレックス、執行委員になることが=マサル係長の傀儡になる昨今の風潮がない交ぜになってコウジンの喉からの透明のとろみのある液になったのであろうと感じられた。そうして私Aは妊娠中のタマキのお見舞いに行った。