以前に同筆者の「竜のかわいい七つの子」を読んですっかり九井 諒子のファンになったので、その勢いで電子書籍化希望を出したのですが、どうやら希望を出した本が電子書籍化すると連絡が来る様です。
当然の如く買いましたとも。
・この作品について
七つの子と同様の短編集で、その内容は魔王を討ち取った勇者のその後の話、魔王を討ち取った事で発生した問題についての話、神のいない貧しい村が神を迎え入れようとする話、馬人と猿人が共存する世界の話などなど、基本的にファンタジーものの漫画です。
・所感
九井諒子さんの描く世界観は、作品毎に年代も場所も様々ですが、そこに登場する神だったり、翼の生えた人間だったり、竜だったり、そういう非日常が何の違和感もなく存在していて、しかも殆どそれらについての説明もないままにスラスラ読めます。構成力というやつでしょうか。
ストーリーについては、私は小説は沢山読みますが、あまり漫画は読みません。その私でも、絵を効果的に使って物語の雰囲気や人の感情や考えをよく表しているなと思いました。まさに、小説における情景や人物描写を絵で表す事に成功していると思います。
絵については、最初はそこまで上手という感じはせず、ところどころ雑だなと感じる箇所も僅かにありましたが、慣れてみると味があるというか、特に人の表情が巧いなと思います。
緻密と言うわけではなく、寧ろ大雑把な部類に入るとは思うのですが、それぞれのキャラクターがそれぞれの色を持っていると言いますか、この絵の雰囲気、私は結構好きです。あ、決して下手と言ってる訳ではないですよ。暖かみを感じる程度に崩れていて、洗練されたものに共通するある種の冷たさを感じさせない程度に上手いです。
また、平和になって落ちぶれた勇者や、迷子を村に送り届けたきこりなど、作品中ではそれほどインパクトがある劇的な事をしたりしてる訳ではないんですが、たった十数ページで何故かそれぞれのキャラクターに凄く愛着が湧きます。
読み終わる頃には、もっとこの世界の話を読みたいのに、もう終わってしまうのか……。と、暖かさと共に若干の寂寥感と言うか切なさと言うか、そういった諸々の感情も味わえます。
・総評
ストーリーよし、絵よし、長さについては短編事の長編も読んでみたいですが、それぞれの話がよく纏まっていて、最後は綺麗に終わるので、きっと長く書いて間延びするよりはこっちの方が良いのかなぁ、と思ったり。
でも、それでも尚、もっとこの世界の物語を読みたいと思わせるものがありました。
寧ろ、読み終わるのが勿体なくて、次のページをめくりたいけど、サッと読むのが勿体なくて時間を掛けて読んだ程です笑
10段階お勧め度
★★★★★★★★★☆
紙媒体版
![]() |
新品価格 |
電子書籍版
![]() |
クリックして頂けるとやる気がアップしてもっとレビューします!
にほんブログ村

