さて、とうとう読了しました。屍者の帝国。
結論から言えば、物語の大筋は理解出来たものの、結末の主人公の状態とか、最後の山場の戦闘とか、私にとっては最早意味不明な域に達していました。
原因は概ねレビューその一で述べた通りですが、最後の方は更に表現等が分かりにくく、私には文章で書いてある建物やその場で起きている現象があまりイメージ出来ませんでした。
ちょっと表現が装飾過多と言いますか、くど過ぎるんじゃないかなと感じました。
まさに、「何を言っているのかわからねーと思うが、 俺も何をされたのかわからなかった」状態です。
なんと言うかこう……美味しい食材を誤った調理法でやっちまった感があります。
あと、バベルやらエデンやら、文脈でなんとなく分かるのですが、そっち方面の知識がないと分かりづらいところもちょくちょくありました。
さて、私が感じた悪いところ終わり。
この本の主軸を成す屍者についてですが、最後の方で明かされるその在り方や自己意識のシステム、人間と屍者の違いとは?という部分は、読みにくさを差し引いても非常に面白い設定だなと思います。
私は暇な学生時代に、自己意識は何故存在するのか?という事をふと思い、一時期脳科学の本を片っ端から読んだ事がありますが、そういう事にちょっとでも興味がある方は楽しめるのではないかと思います。
また、さんざん分かりにくい分かりにくいと連呼していた私ですが
・人類が最初に作ったとされる伝説上の存在である(と考えられていた)、唯一クオリアを備えたオリジナルの屍者、The・one
・人間
・クオリアを持たない、一機械の様にしか扱えない屍者
この三者についての違いについては非常に分かりやすく纏めてあり、多分読んでいて一番楽しかった部分です。
この本は基本的に「実はこれは……○○だったんだよ!!」ババーン「な……なんだってー!!」みたいな盛り上がりはなく、重要な事実が何でもない事の様に書いてあって「あれ?何か今凄く重要な事言ってなかった?」みたいな感じなのですが、この部分については、さりげなく書かれていても「うおっ、マジかよ!」と勝手に盛り上がってました笑
逆に、事実を淡々と述べるこの何でもない感じが良い演出になってるなと思いました。
全体的なストーリーについては、何だかんだ言って面白かったです。
本当に、惜しむらくは表現がくどい事で、素直に物語を追う事が出来たらとても面白いんだろうなと感じました。
世界観、設定、ストーリーは共に文句無しでした。
この筆者の本に慣れている人にはかなりお勧め出来ますが、一見さんお断り、みたいな、そんな本でした。数年後にまた再読しようと思います。
10段階お勧め度
★★★★☆☆☆☆☆☆
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