今回の作品のキーは「名前」でしょうか。比留子さんの名前の由来も明らかになります。
本作でも、今村スタイルが炸裂!
前作に続き、クローズド・サークルの展開。
さらに、そこにもう一つの素材を掛け合わせてきます。犯人を推理するも、人智を超えた能力の登場に、読者自身翻弄されます。
さらに、前作に続き
登場人物の説明を
記憶力抜群の
比留子さんの手に委ねるスタイル!
ストーリーは葉村君と比留子さんの調査から始まって行きます。映画でも描かれたある事件(ネタバレしないように伏せます)の謎を解く手がかりの調査。
斑目機関の謎が大きなテーマになっています。ストーリーを読みながら、まるで「黒の組織」を探るコナンの気持ちになります!しかも、先が気になるTVドラマのような伏線の張り方。
授業でも、ミステリーの影響で伏線を張るので、読みながら次元の違いに唸りました。
※コナンでも本編事件を解決しながら、謎の組織の正体に迫って行くので、正直僕の大好物な展開です!
探偵とワトソン役が「恋愛模様」を醸し出すスタイルも、事件とはまた違った楽しみがあります。葉村君は奥手な感じもしますし、不思議な関係です。恋愛ストーリーも生まれていくのでしょうか?それとも、やはり唯一無二の相棒になっていくのでしょうか?
テクストと作者は必ずしも一致はしませんが、作者の今村さんのストーリー展開の中にはミステリー愛が溢れています!ミステリー用語を登場人物、とりわけ葉村君が解説してくれますし、ミステリー入門にもオススメです。まさに、ミステリーをミステリーするメタ・ミステリーです。
小説の続編が気になります。
素晴らしい作家さんなので、じっくり再読も楽しみます。