映画『オリエント急行殺人事件』が教えてくれる「映画リスニング」のコツ  | 英語講師土岐田健太の「教養」から学ぶ英語の授業〜出版・映像授業編〜

英語講師土岐田健太の「教養」から学ぶ英語の授業〜出版・映像授業編〜

全国の社会人、大学生、受験生対象に「英語の教養・文化から学ぶ英語」の授業をしています。映像授業・出版中心生活へ。映像コンテンツ、本の執筆、講演
、講義などを通して「自力で学問をするための英語」、「将来どこでも通用する英語」を伝えていきます。

映画の「フルパワー・ディクテーション」をはじめて気づいたことがあります。


「ジャンル限定」という方法を使えば、勉強がはかどることです。

 

それは「面白いジャンル」特に、推理モノを選ぶと「論理的に展開してくれる」「犯人を考えながら聞ける」という点から、勉強に使いやすいということです。

 

それに、「文学作品の読解」が映画のリスニングには効果的だということもわかりました。身近なところで言うと、「推理モノ」ならば「推理モノ」とテーマを決めてたくさん読解をしておくと、そのジャンルのリスニングがしやすくなります。

 

読解力と聴解力は非常に密接な関係があります。今回は「分析」のため、以下『オリエント急行殺人事件』中に使われている語彙をメモしてみました。


{5FB4CD54-D885-4F15-8CEB-054DCA2A21E8}


 見終わってから、たくさんメモをデータ化しました。レベルの高い語彙には特徴があります。


それは「推理小説」で出てくる語彙が目白押だということです。たとえば、ransom「身代金」やgroan「うめき声」は英検1級レベルです。


けれど、クリスティやドイルの作品を読めば、たくさん登場してきます。「好きなテーマ」のリスニングからちょっとずつ幅を広げていく、これこそが映画のリスニングも愉しむためのコツなのですね。

 

勉強法としては次のような段階を経るのも効果的です。

 

❶推理漫画の英訳に挑戦する!

 

『名探偵コナン』や『金田一少年の事件簿』の英訳はセリフが多く、ミステリー映画に挑戦する基礎として役立ちます。『名探偵コナン』でmen in blackを「黒ずくめの男たち」ということを、高校時代に知り、とても感動しました。知っているストーリーなので、ストレスなく読み進められます。語彙力も『名探偵コナン』なら安心して増やせます。

 

❷好きな推理小説に1冊挑戦する!

ダン・ブラウン

スティーブン・キング

コナン・ドイル

アガサ・クリスティ

 

など、合う作家をみつけることができれば、推理モノ特有の難しい語彙もたくさん覚えられるので、リスニング中に反応できるようになります。ペーパーバックを1冊読み切る体験は、英語の新世界を開いてくれます。

 

❸映画のリスニングは「原作を知っているor聞いたことがある」ものからスタートする! 

 

これならば「ストーリーの大筋」を知っているため、「リスニングそのもの」に集中できます。たとえば、最近だと映画の「シャーロック・ホームズシリーズ」や今後クリスティの話も増えるでしょう!

 

どんどん挑戦していきたい作品が出てきそうです。


「ジャンル限定」を一度試してみてはいかがでしょうか。

 

【次のトライ】 

スティーブン・キングのITやクリスティの『オリエント急行殺人事件』は比較的リスニングを自信をもってできました。


さて、次は何に挑戦してみましょうか。全く原作を知らない作品のリスニングは相当難しいハズなので、今度は「原作をまったく知らない」ものを使うと、どのくらいディクテーションができるのか検証してみます。