ゆっくりと目を開ける――・・・



横になっているのは桂小太郎



今の姿、布団から出ることができない



私は今、この人に――・・・




私は静かに涙を流した



強引に唇を割って入ってきた舌。



誰・・・?


手で目隠しされてて誰だかわからない。



銀さん?・・・なわけない。




しばらくすると、離れていった。


紐で後ろに手を縛られて、目隠されてしまった。


そのままソファに横になったまま耳を済ませた。






窓から侵入してきた男―高杉晋助は、ハルから離れた。


その足で、洗面台で歯を磨いている銀時に近づいた。


鏡越しに銀時と目が合う。



「なんだ、テメェ。


相変わらずチビだな。いつからいた。人ン家で何やってんだ」



「俺の気配に気が付かなかったんだろ?


俺の背丈に触れんじゃねぇ」



「あの女、もらいにきただけだ。」


「おまえ何ッ―――!!」


腹に一発くらった銀時は床に膝を突いた。


そこにさらに一発高杉が蹴りを入れた。



「もう一発・・・・・・


俺の背丈に触れた罰だ・・・・・・」



そう高杉ははき捨てると、さっと背を向けた。


視界がぼやけながら、銀時はその背中をみた。


そして、フッと真っ暗になった。






「おきろ・・・・・・」


突然耳元で声がした。


さっきまでガタガタ言っていたのに・・・・・・



「立て」


命令口調なのに違和感を感じながら、グイッと引っ張られた腕に逆らえ無かった。


ふわりと浮いたかと思った。


きっとお姫様抱っこをされているのだ。



そとの風だ。


私はどこに連れて行かれるの―――?





「を~い!ハルぅ~郵便受け取ってくれぇ~」


「はぁ~い!」




私はハル。『万事屋銀ちゃん』で働くティーンです。



半年前、両親をなくした私は親戚をたよりに江戸にやってきた


けど、たよりの親戚の家は空き地になっていて


江戸の街にもまれ行く当ても無く路頭に迷っていたとき


この銀さんに拾われたのだ。




以来、ここで働いている。



銀さんは優しいし年上で頼りになるときも歩けど、


恋愛対象ではない。







お風呂上りの銀時が冷蔵庫からいちご牛乳を取り出した。


ソファーにドカッと座っていちご牛乳を流し込む。


飲み干した後、正面のソファーにハルが眠っているのに気づいた。







私はソファーでまどろんでいた。



あっ・・・銀さん上がってきたのかなぁ・・・


いちご牛乳、飲んでるなぁ・・・










ふよっと唇に何かが触れた。


一瞬で離れていった。


いちごの甘い味が・・・・・・。



今のは・・・何・・・?




カラカラカラ・・・・・・


窓が開いた音がした。




「ククク・・・」




誰かいる!!



そう思った瞬間、



また唇に何かが触れた。



しかし、さっきとは違う、強引に唇を割ってきた。



びっくりした私は目を開いたが、手で目隠しされていた。






ぎ、銀さん―――!!!




妖しい眸2