マドレーヌさん。
てジャン・バルジャンの偽名だけども、それは今回のブログで関係ありません(笑)
朝は、昨日の雨で少し湿った大気に太陽が反射をして、澄んだ色を醸し出してくれる。その中を自転車で走る。
この時期はあまり息を直接吸い込むと喉がびっくりしそうだから、マスクをして呼吸してる。
駅まで行く道は、昔から変わらないけど、出会う表情はいつも違う。
いつもと同じ道を通り、いつもと同じように気をつけて、いつもと同じ角で曲がった。
そこに現れたいつもと違う何か。
あ、いい匂い。
マスク越しにも分かる、甘く温かく香ばしい匂い。左の鼻の上の方が反応してその香りを嗅ぎ分けた。
瞬間的に左を向くとケーキ屋が通り過ぎた。
目に映るのは、若い女性の店員が焼き上げたマドレーヌをオーブンの皿から引き離そうとしていた一瞬だった。
一瞬。
でも、この息を一度したことが幸せだった。
恭兵。
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