世界で最小の「五輪マーク」の撮影に成功——。この夏のロンドン五輪を記念して、英ウォリック大などが28日、髪の毛の10万分の1の細さの化合物の画像を公表した。

 炭素と水素からなる「オリンピセン」という化合物で、炭素6個と水素6個からなるベンゼン環が五つ互いに隣り合っていて、五輪マークのように見える。幅は1.2ナノメートル。

 2年前、英王立化学会が編集する化合物のデータベースに登録され、今回、スイスにあるIBMの研究所の協力で撮影に成功したという。

 高級な鉢物植物として知られるコチョウラン(胡蝶蘭)が、遺伝子組み換えにより青い花を咲かせた。千葉大大学院の三位正洋教授(植物細胞工学)らがこのほど発表した。青いコチョウランは世界で初めてという。

 コチョウランには、白や赤、黄色など多様な色の花がある。交配で作り出されてきたものだが、花弁に青の色素を作る遺伝子がないため青い花はなかった。

 三位教授らは、青い花を咲かせるツユクサから取り出した遺伝子を、コチョウランの細胞に組み込み、培養。4年かけて作り出した植物体が2月半ばから開花した。ベースとなったコチョウランはピンクの花を咲かせる品種だったという。
 原子1個だけでできているという世界最小のトランジスタの製作にオーストラリアと米国などのチームが成功し、19日付の専門誌ネイチャー・ナノテクノロジー電子版で発表した。

 チームは、原子一つひとつを移動したりできる走査型トンネル顕微鏡と呼ばれる装置などを使用。シリコンで作った台の上にリン原子1個を置き、それを挟む形で電極も作り、原子1個がトランジスタとしての特性を持つことを確認した。

 今回の技術は、半導体素子の究極の微細化の例。まだ基礎的なものだが、将来は、光エレクトロニクス機器や高速な量子コンピューターなどへの応用が期待されるという。