いつか来た道 〜経済合理性が街を破壊する〜 | 京都から世界へ -藤田功博の京都日記-

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「京都の魅力を日本へ、世界へ」をキーワードに活動する観光企画会社のぞみ代表・藤田 功博のblogです。アイデアとフットワークを武器にして、観光業界を盛り上げていきたいと思っています。


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三条通といえば中心部の個性派ストリートであり、アパレルショップに雑貨店、そこに京都ならではの江戸や明治創業の老舗がモザイク模様に混じる。歩く楽しさに事欠かない場所だ。

 

しかし近年では完全に、その面白さが失われつつあるように感じる。

 

これは東京・渋谷、新宿に始まり、大阪では心斎橋や南船場、堀江などが歩んできた「いつか来た道」で、経済合理性が街の個性を破壊する典型的なパターンである。


 

順番に整理してみよう。

 

街の物語は、「周縁」を好む仕掛け人たちから始まる。

目抜き通りで何かするのはつまらない、「ちょっと外れ」に「わかる人だけ来ればいい」というノリで何かが生まれる。

 

類は共を呼び、個性的な人たちがその近隣に集まり始める。

しばらく経つと手の早い雑誌やテレビなどが「今アツい街」と特集を始める。

いくつかのメディアは追随する。

 

やがて、全国的に名のしれた企業やショップが、「流行の発信地」というステイタスを求めて、出店する。

スポットライトの光量はますます増える。

メディアの報道もさらに加熱する。「ついに◯◯が、◯◯に出店!」

 

これが、実は「終わりの始まり」だ。

 

いち早く話題のエリアに出店した◯◯が、成功を収めているというデータが「業界」に回り始める頃、

次々と他の企業も参入してくる。需要があるから当然のことだ。

 

そこに目をつけるのが、不動産屋だ。

 

彼らは物件の希少価値や相場を見越して、賃料を上げ始める。

大家には「価格を1.5倍にしても入る企業を見つけてきますよ」などと説得する。

企業に対しては「これからますます上がるので、今がおトクです」の殺し文句を投げかける。

 

実際その通りで、この時点では安い買い物となる。

まだまだ家賃相場は上がるからだ。

 

大手企業はすんなりとは撤退しないので、空き物件が全然出なくなる。

1.5倍に賃料を上げても、ブームが続くので借り手は多数つく。

そうなると、さらに賃料は上がっていく。
 

10年前から2倍、3倍になったりもする。

 

そこで何が起きるか?

 

 

初期の頃に出店していた「地場のオーナーの店」「個性あるここだけの店」が、経営が成り立たなくなって撤退を始めるのだ。

 

持ち土地で商売をしておられる人であれば、自分で商売することに躊躇してしまうくらいに家賃が上がる。高齢化とか人手不足ってな名分で、「誰かに貸す」という選択をする。

 

こうして、空いたところにまた有名ブランドが入る。

いつしかエリアのほとんどは、どこにでもあるようなお店ばかりになり、「最先端の街」ではなくなっている。

すっかりと「元々盛り上げた人々」が消えている。

 

最後にどうなるか。

 

賃料が高くなりすぎた物件に誰も手が出なくなって、「空っぽのままの物件」が登場するのだ。

それまでは、空きが出ればすぐに、「順番待ち」の会社に水面下で連絡して契約が決まっていた。

退去と同時に次に入る人の工事が始まり、空洞店舗などは発生しなかったものが、

退去する時点で「後継テナントが未定」という状態になるのだ。

「管理」などという不細工な看板が出たりする。そこまでしないと借り手が見つからないのだ。

 

三条通では、パンの「グランマーブル」、雑貨の「よーじや」が三条通から撤退した。

いずれも京都が地場の良いお店だ。

 

驚くべきはその撤退後。

三条御幸町とか三条麩屋町の「誰もが欲しがる角地」に平然と空洞店舗が出現しているのだ。

完全に、もう最終話である。

 

image

この状況は誰も責められない。

みな、「経済合理性」にもとづいて行動したに過ぎないからだ。

需要があるのに供給が少ないから家賃が上がり、

上がった家賃を払える企業がそこに来ただけ。

 

皮肉なことに、そういう「経済合理性に基づいた行動」が街を破壊し、

元に戻れない状況を生み出す。

上がった家賃は他のテナントの手前、下げるわけにはいかず、

空きばかりが不思議と増えていく。

 

最後は、情報にうとい企業が不動産屋にある種「言いくるめられて」勘違いして出店する。

実力不相応であったり、品質がともなわない店ができ始める。

そしてせっかくの「エリアのブランド」まで破損して終わるのだ。

 

 

繰り返すが、誰も責められない。

資本主義社会の中で、地主、不動産屋、テナント企業が、全て経済合理性に基づいて行動した結果だ。

 

しかし。

 

いい加減、学ばねばならない。

 

経済合理性にまかせたら、街が壊れるということを。

 

家賃で儲けたいと思う地主も、「相場」なるものに流されてはいけないということを。

 

街の将来を考え、妥当な家賃で「がまんできる」地主だけが、街を守れるということを。

 

何より、いったん壊れた街はもう元に戻れないということを。

 

 

こうやって書いているけれど、三条通は、もう手遅れである。

歴史を見れば、明らかだ。

それがただただ、残念である。

 

僕が大好きな寺町の御池以北エリアが、最後の砦のように思える。
 

 

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