【経営者向け】京都の老舗に学ぶ経営哲学 | 京都から世界へ -藤田功博の京都日記-

京都から世界へ -藤田功博の京都日記-

「京都の魅力を日本へ、世界へ」をキーワードに活動する観光企画会社のぞみ代表・藤田 功博のblogです。アイデアとフットワークを武器にして、観光業界を盛り上げていきたいと思っています。

 

ビジネスの方向性には大きく2つあるように思う。1つが、規模の拡大。もう一つは、永続させていくことだ。

世の中で売られているビジネス書については、ほとんどが前者について解説したものである。つまり、どのようにビジネスを大きくしていくか。どのように視野を広げていくか。

もちろん、人を雇ってビジネスをするのだし、投資などを受けている場合には、規模の拡大と言うのは避けて通れない命題である。ここから逃げてはいけない。

一方で、どれだけ急激に拡大したとしても、短い期間で行き詰まるのであれば、これはこれで意味がない。

売り上げ拡大のバランスをとりながら、どのようにビジネスを長く続けていくのか。長く続けていくためには、何を考えなければならないのか。このヒントは、京都の老舗には多く含まれていると思うのである。

京都の老舗を見ていて特徴的なのは以下の5点だ。

1)特化して、名物があり、研究している
2)ちょっと高い
3)営業時間が短く、しっかり休む
4)安定した法人顧客を抱えている
5)バーゲンセールを行わない。その代わり、常連を優遇する


1)特化して、名物があり、研究している
あるジャンルに特化し、徹底的に研究して品質を向上し、ナンバーワンを目指している。京都で言えば、豆腐であるとか味噌であるとか、狭いジャンルだ。豆腐と言えば〇〇屋とか、味噌と言えば〇〇屋さんと言う評判と信用を築きあげている。

さらには、代表的な名物商品を持っている場合も多い。それこそ、商品名を言うだけで、北海道のお客さんでも、「あーそれは京都の〇〇屋さんの商品だね」と知っているレベルである。

2)ちょっと高い
老舗の商品は、ちょっとだけ高い。決して、すごく高いとか高くて手が出ないと言う価格ではない。この商品なら、どのくらいの価格だろうと言う相場よりも、ほんの少し具体的には1割から2割高いのである。

商社の立場に立ってみると、ちょっと高いなぁと思うのだけれども、常連の商品であると言う安心感を考えると、そこまで高くないような気もして購入してしまう。

経営的に考えると、実はこの1割から2割のちょっとが、非常に重要な利益の源泉なのではないだろうか。相場に引きずられることなく、また割引をせずに、プレミアム価格で販売することを重視する。

3)営業時間が短く、しっかり休む
老舗の営業時間は、かなり短い。標準的には、朝10時から夕方6時くらいまでだ。正月やお盆、ゴールデンウィークなどは休む。深夜営業などをしている老舗などはまず存在しない。

これは、ある程度儲かっているからと考えることもできるが、僕は逆の考えを持っている。長く続けるために、短い営業時間にして、スタッフを疲労させないこと、永続可能な勤務体系にすることが良い仕事を続ける上で重要だというポリシーゆえのことなのではと思うのだ。

4)安定した法人顧客を抱えている
多くの老舗が、店舗を持ち、誰でも入ってこれるような店構えになっている。一見したら一般消費者向けの商売だ。しかし、多くの老舗は、その裏側で、大口の顧客を抱えており、年に何回かの大量注文を得ることで、手堅く売上を確保している。

例えば和菓子屋さんであれば、年に何度かの、大きな茶会のお菓子を注文として持っていたり、どこかのお寺と提携していて、法事や法要の際には、そのお寺からまとまった数の注文が必ず入るような仕掛けを持っているなど、一般向け消費者の注文では無い部分での大量注文をルートとして持っている。

なので、一見したところ、あまりお客さんが入っていなさそうな小さなお店であっても、実際には、経営しているメンバーが食べていける位の注文を法人や団体から受けている。

5)バーゲンセールを行わない。その代わり、常連を優遇する
百貨店に入っている老舗ですらも、バーゲンセールと言うのは基本的に行わない。そもそも、新規顧客向けの安易なマーケティングキャンペーンなどはほとんど行っていないというのが現状だ。

一方で、長年の常連顧客向けに、価格面でやや融通を聞かせると言った事はたまに起きる。

これを差し置いても、バーゲンセールや値引きなどをして、無理に多くの注文を取ろうと言う取り組みはほとんどの場合行われていない。

多くの企業が「常連を大切にしなければならない」と考えながらも、つい新規顧客獲得のためのキャンペーンを展開しがちだ。この点において老舗の販促については学ぶべき点がある。





繰り返しになるが、ビジネスにおいては規模の拡大が優先される。

一方で、いかに長く続けていくか、ビジネスを安定させていくかという方向を考えるあたっては、老舗の哲学から、学べるエッセンスがあるのではないかと思う。

 

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