東本願寺「真宗本廟」の明治期に再建された伽藍は近代和風建築を代表するものとして、近年文化財の指定を受けています。
今回2023年9月重要文化財に指定された大寝殿と白書院が公開され、ご僧侶の案内で拝観してまいりました。
大寝殿は境内の最古の建物であり、公式行事や儀式に使用されます。
座敷の奥は上段となっており、床の間の壁、襖などは竹内栖鳳画伯の作品です。
「風竹野雀」図の2羽の雀が何者かよって切り取られ、いまは別の紙が貼られていました。
竹内画伯は当時評判の画家でしたので、2羽といっても大変な金額になったのではないかとのことでした。
続いて拝観した書院は親鸞聖人650年御遠忌に再建された建物であり、来賓などの接待に使われます。
奥の間は格式ある折り上げ小組格天井になっており、部屋は逆L字型です。
ご門主さまのお顔を拝せずとも、同じ空間にいるということが重要なことと考えられているのです。
拝謁の間、謁見の間はこの形式になっていることが多いとのことです。
書院の正面に菊の門(勅使門)があります。
勅使門は天皇陛下の使者・勅使が出入りされる門ですが、庭儀の法要のときは、ご僧侶方はこの門から一度境外へ出られ、改めて御影堂門から境内に入られるとのことです。
庭儀とは、仏教行事で寺院の前庭など、堂外に会場を拡大して儀礼をおこなうことであり、宗祖の御忌会など大規模・丁重な法要に用いられるものです。
が、昨年の親鸞聖人御誕生850年立教開宗800年慶讃法要のときは境内外の出入りはなく、菊の門も使用されなかったようです。
菊の門の後の建物が書院です。
写真撮影はOKでしたが、ブログに掲載するお許しを得そびれました。