お家元の初釜にお招きを受けました。
例年、厳かなお席に伺えることを光栄に思っております。
正式な行事ですので、今日は武家門が開かれ、門人を迎えてくれています。
藪内家は三千家と並ぶ茶道家元、藪内剣仲を初代とし、今日まで十四代続く流派です。
家元は代々紹智を襲名されます。
藪内流では、茶法として「正直・清浄・礼和・質朴」という言葉を用い、「正直を以て心を守り、清浄を以て事を行い、礼和を以て人と交わり、質朴を以て身を修める」を基本としています。
流祖剣中は、武野紹鴎門下において、千利休の弟弟子でした。
藪内流については、京都検定にも度々出題されています。
伺って間もなく、小間の茶室・須弥蔵で薄茶をいただきました。
この茶室は点前座の背後壁面が斜めになっており、その壁には洞庫(道具棚)が付くという構造になっています。
お干菓子は12月のブログでご紹介した、秀吉ゆかりの「紅白の福寿」でした。
続いて、お家元で一番大きな茶室・絹熈堂で薄茶をいただきました。
お干菓子は「梅」の焼き印が押されたもの。
実物は上品な薄紅色をしています。が、我が家では場所を変えても、その色が出なくて残念。
お茶をいただいた後、福引があります。
餅花の中に当たり名が入っています、毎年ドキドキ・・・・。
3年ぶりに、香合を引き当てました
犬の香合
横綱ですね、愛嬌があって可愛い
祝膳席で、京の冬の風物詩・温かい蒸し寿司をいただき、ほっと一息つきました。
茶席・雲脚に主菓子が用意されています。
戌年にちなみ、こちらは絵馬に犬の焼き印を施した上用饅頭
いや、美味でした。
こちらも少しベージュがかった色合いですが、写真ではお目にかけられなくて、残念。
このお菓子は、藪内家初釜のために作られるものです。
皆様にお見せしたくて、我慢して持ち帰りました。
お菓子は主菓子、お干菓子ともに「末富」御製。
いよいよ古田織部ゆかりの茶室・燕庵(重要文化財)へ。
お心尽くしの湯桶が用意された蹲で、手と口を清め、席入りです。
この蹲の側に、織部燈籠の本歌が置かれています。
以前にもお話ししましたが、織部灯籠は棹の部分が直接地面に埋め込まれていますので、阪神淡路大震災時も、問題は生じなかったとのことです。
ほの暗い燕庵の中は、まさに別世界です。
お家元のお点前で、至福の一服を頂戴いたしました。
お床には、五代家元・不住斎竹心さまの一行「心廣體胖春」の軸がかけられ、石菖鉢と大蛤の香合が飾られています。
「心廣體胖春」とは、心廣く(こころひろく)體(たい)胖(豊かなる)春(はる)と読みます。
天候にも恵まれ、穏やかな一日を過ごさせていただきました。
が、私は燕庵を退出するとき、身体がこわばってしまい、なかなか動けませんでした、いやはや