山形赤湯温泉「瀧波」 | kyoritsu-utsunomiyaのブログ

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山形の温泉に行ってきました。

泊まったのは南陽市の赤湯温泉「瀧波」という旅館です。

大学の同級生から勧められた旅館でした。

のっけから断言しますが「最高!」でした。

こんなにホスピタリティーの素晴らしい施設に山形のしかも赤湯で出会えるとは思いませんでした。

コストパフォーマンスも最高です。

10数年前に「熱海ふふ」に初めて泊まった時以来の感動でした。

瀧波さんは2年前にリニューアルしたそうです。

400年以上前に作られた木造の「薬医門」が入り口です

伊達政宗の出身である米沢上杉藩(上杉謙信没後に越後から米沢に

移封されました)にあったものだそうです。

医薬門の脇にはクラシカルな郵便ポストが設置されていました

入り口玄関の脇には飲水用の源泉がありました。

江戸切子のお猪口で少量飲んでみました。

やはり硫黄の匂いがしました。

玄関脇には干し柿

これも秋冬の風情を醸し出しています

チェックイン時のウェルカムドリンクはいきなりの日本酒でビックリ

香華というフルーティな味わいの日本酒でした。

お供は漬け物で、山形らしいですね。

もちろん、お酒が苦手な方にはジュースもありました。

ロビーにはフリッツハンセンのチェアー

いきなりのお洒落感満載です。

和風建築にも北欧家具は似合っています。

ロビーはかなり広いスペースで、来月は噺家の林家正藏氏が来て寄席を

開催するスケジュールでした。

このようなイベントが開催されることからも普通の温泉旅館ではない事が窺えます。

薪ストーブも雰囲気抜群です

浴衣や丹前は自分の好みのものを選んで、部屋に持ち帰るシステム

ロビーから各部屋に向かう廊下の一角が浴衣置き場になっています。

このシステムは斬新で、人手不足の解消にも役立っていると思います。

浴衣の他に足袋や帯が何種類も揃っていて選べます。

スウェットの部屋着も用意されています。

部屋までの廊下はかなり暗かったです

スリッパはありません、足袋を履きます。

今どきスリッパは衛生的にも?ですよね。

天井に梁のあるベッドルーム、開放感あります

全ての部屋には掛け流しの露天風呂が付いています

小さいながらも洗い場やシャンプーも備えてあります。

もちろん大浴場もあり、そちらも掛け流しです。

今回の部屋風呂はヒノキでしたが、部屋によっては岩風呂もあるようでした。

お風呂の後は夕食です。

部屋食ではなくダイニングスペースで頂きます。

このスタイルが最近は多いですよね。

しかし、夕食のスタートは18:30と限定されています。

折角のんびりしに来たのに食事の時間が制約されるとは不親切な!と思ったのは

僕の思い違いでした。(もちろんチェックインが遅い方はダイニングスペースではなく、個室での食事も可能です)

ダイニングスペースは大きめの「コの字型カウンター」になっており、一度に15名ほどが食事できる広さです。

そこで始まったのはライブ感溢れる和食エンターテイメントでした。

一段低くなったカウンター内でスタッフが調理したり、盛り付けするのが目の前で見えます。

前菜の食材も山形産

鰆の料理

お吸い物には食用菊が散らされていました

食用菊のことを別名「もってのほか」というのだそうです。

これも山形名物ですね。

この日の夕食の日本酒ペアリングはこの5種類でした

ワインや日本酒に詳しい南さん(6代目当主の弟様だそうです)セレクトのお酒もお勧めです。

南さんはソムリエ資格と日本酒の唎酒師の資格取得までもう一歩(ソムリエは2次試験まで合格しているそうです)、頑張れ〜。

南さんは55歳、ワインと日本酒の勉強を始めたのはここ最近になってからだそうです。

何事も年齢ではなく「やる気」なのですね。

東北のお酒が多く、ここでも地産地消です。

米沢の豚肉「一番育ち」

山形名物の芋煮、でも上品過ぎます

お口直しのグラニテは「あけび」でした

小学生の時に山遊びに行った際に食べて以来です。

素朴な甘さでした。

メインディッシュは米沢牛のグリル

カウンター内で焼き上げたものを目の前まで持ってきて、匂いでも食欲が

そそられます。

切り分けて供されましたが、たった3切れ

米沢牛グリルを追加オーダーすると7,000円とか。

こればかりはコスパ悪いかな。

土鍋で炊いたのは地元山形の「つや姫」

最近は自宅でもつや姫を食べています。

食べきれないご飯は塩おにぎりにして夜食にしてくれました。

夕ご飯を食べてひと風呂浴びた後は市内のラーメン屋さん「福」へ行きました。

赤湯には「龍上海」という昭和35年創業の老舗ラーメン屋さんがあります。

横浜のラーメン博物館にも出店している超有名店です。

龍上海本店は既に閉店、しかも明日水曜日は定休日、との事で食べられません。

旅館のスタッフに相談したところ「夜11時まで営業している龍上海の支店があるけれども、暖簾分けのお店で本店とは味が全く違うので、お勧めしません。龍上海本店の味に近くてお薦めなのが[らーめん福]というお店です」とアドバイスを受けました

まさかの夜食を食べに出かけました(この写真は翌日昼間に撮ったものです)

ものすごい雨だったのですが、親切にも旅館スタッフが車で「らーめん福」まで送ってくれました。

赤い辛みそをスープに溶きながら頂きます

この時間でも満席でした。

龍上海でなくても満席とは人気店の証拠です。

太麺の縮れ麺、スープはややこってりしています。

瀧波の夕ご飯を食べた後でも、何とか完食できました。

クリニックスタッフへのお土産は龍上海の「赤湯からみそラーメン」です

3食入りで1200円くらいでした。

翌朝は旅館玄関に6:30集合なので、早めに寝ます。

折角、温泉旅館に来たのに何で早起きしなくちゃいけないのか?との答えは「モーニングツアー」です。

海外のアマンリゾートなどのGHM系ホテルでは夜や朝にスタッフが色々なアクティビティに連れて行ってくれるのが当たり前です。

瀧波さんでも朝からアクティビティを開催していました。

もちろん、参加は無料です。

瀧波の6代目の須藤さんの運転で市内の観光スポットを教えてもらった後に連れて行ってもらったのは「烏帽子山八幡宮」です。

継ぎ目のない石造りの大鳥居としても有名だそうです。

南陽市で一番大きな神社だと思います。

眼下には南陽市街地が一望できます

継ぎ目なし、という事は1本1本を運び上げて組み立てるように建造したのでしょうか?

石段を登り切ったところにある狛犬の台座には「瀧波之湯」と彫られています

瀧波さんが寄贈した狛犬だそうです。

四股を踏んでいるような姿勢で、顔もユーモラスで全く怖い印象がない狛犬です。

狛犬の台座のもう一方には「戸主 須藤瀧蔵」「妻 須藤なみ」と彫られています

温泉旅館、瀧波の由来はご主人の「瀧蔵」の瀧と奥様の「なみ」の波(なみ)から取ったそうです。

大正13年9月15日に建立されたもののようです。

お賽銭を奮発して、色々お願いしてきました。

烏帽子山八幡宮の次に向かったのは車で15分ほどの近くの小高い山稜です。

ここではパラグライダーやパラセーリングが楽しめます

体験もしないのに何でパラグライダーコースに連れてきたの?

この日は残念ながら天候に恵まれなかったのですが、ここからは雲海が望めるのだそうです。

11月はかなりの高確率で臨めるそうですが、今日はあいにくの雨天だったので雲海は次回にお預けです。

その代わり初雪がパラパラと降ってきました。

南陽市は国際大会も開催されるほどのパラグライダーのメッカのようです。

瀧波さんに頼むと8千円くらいで体験出来るそうです。

88歳の女性が体験したこともあるそうです。

冬場の方が風が安定しているので飛びやすい、とのことでした。

パラグライダーは出来ないので、ジャンプしてみました

この日は小雨が降っていたので、瀧波さんで長靴とレインウェアを貸し出してくれました。

嬉しい心遣いですね。

このようなアクティビティは常時行なっており、季節によって「蛍狩り」や「雪の畑の中での大根掘り」など様々楽しめるようにスタッフが創意工夫しているそうです。

日本の旅館に海外リゾートのようなアクティビティが加わると「鬼に金棒」だと思います。

連泊が必須の旅館になっていくのではないでしょうか?

朝ご飯に間に合うように瀧波に帰ってきました。

朝ご飯も地産地消の山形、東北の食材が主でした

魚の目が光っているように見えるのがわかるでしょうか?

魚は「目光」という三陸の魚です。

メザシとシシャモの中間的な味だと感じました。

チェックアウトまで、しばしラウンジで読書

ラウンジはかなり広いスペースで、12月には林家正藏さんの

寄席が開催される予定です。

フリッツハッセンの椅子の他にも色々な椅子が用意されて楽しめます。

夕食後には日本酒やコーヒー、ソフトドリンクなどが無料で供されている場所でもあります。

山形の夏祭りとして有名な「花笠祭り」で使う花笠を被って記念写真

チェックアウトしてからレンタカーで向かったのは、またしても食事処。

どれだけ食べれば気が済むの?まだ空腹なの?

空腹な筈、ないでしょ。

瀧波のスタッフ南さん(実はCEOでした)に勧められたイタリアンレストラン「イル・レガーレ」です。

イル・レガーレはトレーラーハウスのようなお店でした

国道沿いにあるので、何しろ目立ちます。

すぐ隣は南陽市役所と南陽市立文化会館です。

同じ山形県の鶴岡市にある超有名イタリアン「アルケッチャーノ」出身の

シェフがオープンしたお店です。

アルケッチャーノは銀座にもブランチを出したほどの実力店ですが、なかなか鶴岡までは出かけられません。

南さん一押しの「舟形マッシュルームの生クリームパスタ」

舟形マッシュルームとは山形県最上郡舟形町で栽培されているかなり大きい

マッシュルームです。

大きいものだと「小ぶりのスイカ」くらいだそうです。

ここでも地産地消ですね。

生クリームパスタですが「こってりさ」は抑えられていて、意外にもあっさりしています。

これに前菜、ドルチェ、コーヒーがついて1800円でした。

とてもリーズナブルな値段だと思います。

平日のランチでも予約していないと入れないほどでした。

前日に南さんに予約してもらっていて大正解でした。

昼はパスタランチ(4〜5種類が揃っています)しかメニューにありませんが

ディナーは色々楽しめるそうなので、次回はぜひ夜に来てみたいと思います。

ランチを堪能した後は歩いても1〜2分の南陽市文化会館を訪ねました。

一見するとどこにでもある地方の文化会館ですが

内部はこの通り、国内唯一の国産木材だけによる建築の文化会館でした。

今回は内部の見学は出来ませんでしたが、素晴らしいコンサートホールが備わっており、有名なオーケストラや歌手がたくさん来演しています。

この文化会館は音楽家の坂本龍一氏の監修だそうです。

写真で見るよりも大きく迫力があります

県庁所在地でもない地方都市にこのような建造物があるのが不思議です。

ちなみに建築費は60億円!と聞きました。

南陽市は潤っているのですね。

吹き抜けのエントランスホールは造形美の塊でした

文化会館を後にして結城豊太郎記念館に向かいました。

結構、マニアックな記念館ですがモーニングツアーの際に須藤さんが車内から案内してくれた南陽市の観光スポットです。

興味があったので、訪問です。

結城豊太郎は日銀総裁を務めた人物です

何と、歴代日銀総裁には南陽市出身者が3名もいるのだそうです。

勉学に秀でた人物を南陽市は輩出していたようです。

結城豊太郎の実家は造り酒屋(裕福だったのですね)で、勉学に秀でた豊太郎は山形中学(現在の山形東高校)を卒業後、仙台二高を経て東大法学部(成績優秀のため無試験だったそうです。当時はそのような制度があったのですね。)に進み、卒業後は行員を募集していなかった日本銀行に志願の末、入行して実力を発揮していきます。

戦前には内閣で蔵相などを務めた時期もあり、やはり蔵相を務めた高橋是清と同時代を生きた方です。

戦後は総理大臣を務めた「三木武夫」の結婚の仲人を務めた、という逸話もあります。

豊太郎の三女「久子」は政治家の藤山愛一郎に嫁いでいる、という名門でもあります。

僕が立っている門は「薩摩藩の江戸屋敷表門」です。

この門を西郷隆盛や大久保利通、川路利良など薩摩藩出身の明治維新の

志士達が通ったと思うと「感慨ひとしお」でした。

取り壊されるには忍びなく、赤湯に移設させたそうです。

ここが臨雲文庫の建物

ここは豊太郎が自分の所蔵書物を開放した図書館でした。

記念館の次に向かったのは東北地方で最大の古墳「稲荷森古墳」です。

ここも瀧波さんに勧められた観光スポットです。

長さ100m、高さ10mの大きさだそうです

この稲荷森古墳は紀元2〜3世紀の建立だそうです。

当時はすでに大和朝廷の影響が東北地方まで及んでいた証拠だそうです。

この古墳以外にも東北地方には古墳が見られますが、まだまだ未発見や未調査の古墳も多くあるそうです。

事実、この稲荷森古墳の近くの小高い山も実は古墳らしい、と言われており稲荷森古墳を超える大きさと推測されています。

今は調査を待っている状況だそうです。

前方後円墳の見取り図はコンな感じ

僕の大きさと比べると古墳の大きさが分かります

山形、最後のご飯は山形市七日町にあるイタリアン「イル・コテキーノ」

2回目の訪問です。

今回も予約でほぼ満席、お店の玄関の照明も点灯していませんでした。

わざと暗くしているのかも。

ハム各種、抹茶入りやゴマ入りなどオリジナリティ溢れるものもあります

これらはいわゆる加熱ハムだそうです

相変わらず、すごいボリュームで出てきます

ハム第2弾はスモークされたものが供されます

これも写真で見るよりもボリュームあります

キッシュとサワークリームの付け合わせ

これが無いとなかなかハムだけでは食が進みません。

この他にバーニャカウダ、ゴルゴンゾーラのペンネ、ドルチェ、コーヒーがついて4,000円。

これ以上は食べられません、というほど満腹にさせてくれます。

2日間で3〜4kgは肥って帰京です。

明日から仕事して体重を元に戻します。