秘密警察 | 怒涛の3ヶ月~2年目

怒涛の3ヶ月~2年目

旦那のアルコール依存症→精神科外来→離脱せん妄→借金地獄→断酒→スリップ→精神科入院→現在



KGBじゃなかったのかよと突っ込まれそうなタイトルだが。

今日から私は『秘密警察』と言う肩書きに変更した。



私は今日遂に、

遂に現場を押えた。



精神科受診日は来週の予定だったが、仕事の都合だか何だかで、急遽、奴は今日の午前中に変更しやがった。


疲れて寝ていた私は奴から声を掛けられた。

『ちょっと病院行ってくる』


一瞬にして目が覚めた。

病院!?
なんだ何だ!?
今度は何処が悪いんだ!?

と咄嗟に思い、

『病院て何処の!?』と聞けば奴は

『T病院』

といつもの精神科の病院の名前を言った。
あー、ビックリした…

『来週仕事で行けないから今日に変更してもらった』

と言って、とっととチャリで奴は行ってしまった。
(まぁいいけど…)

のそのそと私は起き出し、雨が降り出す前にと次女と一緒に買い物へ行くことにした。


駅まで出て、先ずは支払いを済ませようとコンビニへ入るとレジに旦那がいた。

次女と二人で、

『酒でも買ってるんじゃないでしょうねえ(笑)』

と奴の手元を見やるとそこには。


トリスハイボールロング缶


『……』
『……』

二人で固まった。
(本当に買ってるよ)そして、

『遂に現場を押えたっ!』

と狂喜乱舞し、旦那が出てくるのを待ち構えた。


そして、

『あ』

と私らに気付いた旦那である。
私はにっこりと微笑み

『今日はノンアルじゃなくて、お酒を召し上がるのねえ』

と言ってやった。

『ノンアルと買い間違えた』

と、世にも恥ずかしい嘘をコキやがったので、

『聞いてて恥ずかしくなるような嘘吐くのやめなさいよ!!』


この時頭の中で、

『飲んでいる所を見つけても怒らないでくださいね』

『もし飲んでいる所を見つけても決して怒らないようにね』

といった、施設の職員の方やら精神科の先生の言葉がリフレインした。
が。


無理だろ真顔


お前らは当事者じゃないからいいかもしれないけど、私は当事者なんだよーっ!!
怒るなとか無理に決まってんだろー!!!


と心の中で先生達に対して逆ギレする私。


『お酒を飲み続けるなら私はもうあなたとは一緒に生活は出来ない』

『飲んでしまった事は仕方ないけど、嘘を疲れるのは嫌なんだけど』

『飲んで気分が高揚する??それは良いけどそこに私達の気持ちは無いじゃない』

『私達を欺いて飲むお酒は美味しいですか?』

『仕事のストレス??そもそもなんで今の仕事やってると思ってんの?前の会社をお酒で失敗して、それで退職に追い込まれて今の会社で働いてんでしょ?会社のせいにしないでよ』

『大体ねえ!なんで昼間っから飲もうとすんのよ!そもそもそこが異常なんだよ!』


これは怒っている訳ではない。
説教をしているんだ。
と自分に言い聞かせながら説教をこんこんとコンビニの前で繰り広げた。


次女はと言えば、

『父さんは一体何がしたいの?どうしたいの?』

と初めて口を開いた。すると奴は


『……どうしたいんだろね……』

阿呆か!!♨️


『とりあえずこれから買い物してくるから』♨️

と言うと、『わかった』と言って素早く奴は帰って行った。

次女は、
『ねえ、父さん全然私達の話聞いてなくない?』

と言うので私は驚いた。

『えっ!!』

『だってなんかぼーっとして、全然私達の事見ようともしないじゃない』

『確かに…』

前から私が説教をする度に奴は黙りを決め込んではいたが……

まさか全部聞き流してるとか……嫌なんですけど……
その場さえ聞き流して、私に言いたいだけ言わせておいてその場をしのげれば…

そのような甘い考えは。


許さぬ♨️

買い物を済ませ、足取り重く家に帰ったが、私はもう奴とは口をきかなかった(当たり前だ)


罵ってやろうかとか、目の前でキレてやろうかとも思ったが、今日は止めておいた。

しかし。
何か制裁を加えなければ気が収まらない。


私は泣く子も黙る

秘密警察


本来ならばシベリアにでも送り出したい所だが、
残念ながらここは平和な現代日本。

何か一泡食わせたいが。

フッ……

ふはははははははは!!(・∀・)


これから夜な夜なジックリと策を練り上げてやる。
『ぎゃふん参りました』
と土下座させてやる♨️

さぁて、何から嫌がせをしてやろうか。




……おっと、
誰か来たようだ……