旦那が『再来週には退院』と言ってから、結局その週に退院の話しはなかった。
旦那がLINEで言うには、
『まだ体液が減らない』からだそうだ。
次女が病院でぶっ倒れてから翌々週に面会へ行った。
前日奴からのLINEで、
『カミソリ持ってきて』
とまたしても言ってきたが、
『カミソリは病棟に持ち込んじゃダメなんだってば!』
と返事を送ったきり既読が付いただけだった。
なんだろ、シェーバーじゃ嫌なのかな??
病棟に入り旦那のベッドへ行くと、奴はスマホでラジオを聴いていた。
『もう髭ボーボーで気持ち悪くてさあ』
『シェーバーは???』
何も知らない私は愚かであった。
『ここまで伸びたら一回カミソリで髭剃らないと無理だよ』
えっ、あっ!?そーゆー事かあぁ!!
確かに……
あんな髭ボーボーでどうやってシェーバーで剃るんだろ…とは思っていたが、やっぱり無理なのかWWW
あれ?
『ドレーンは??』
『もう取れた♪』
『そうだったのか…じゃあマジで退院目前てこと!?』
『うん、下手したら今週中とか言われるかもね』
『そうだね。あのさ、お腹痛いって言ってから放ったらかしにされてたって言ってたよね?』
『そうだよ、夜痛くってさあ、先生呼んできますからベッドに戻っててくださいって言われて、結局誰も来なかった』
『それヤバくない?下手したらそれこそ死亡退院になってたんじゃ…』
『ここの先生はいいよ!毎朝毎朝必ず来てくれんの、主治医の他にも今日は手術してくれた先生も来てくれたよ』
確かに、よく旦那はここに来てから先生が毎朝来るって話してたな。
旦那にとって、今まで放ったらかし病院に居たもんだから感動すら覚えてたようだ。
なんと不憫な……。


面会は15分、旦那の方から
『時間大丈夫?』と聞いてきた。
『あらホントだ、じゃあそろそろ帰るね』
『一緒に下の売店で何か買うよ』
もうドレーンも点滴も何も付けてない!
これはもう、後は精神科と調整しながら入退院を決め始める所まで来ているのだろう!
早速翌々日、昼頃病院のワーカーさんから電話がかかってきた。
これから退院に向けて精神科と調整をして行くが良いか?と言うことと、
『あと、手術をした先生の方からも、退院に向けてお話しすることがあると言うことでお電話が行くかと思います』
『私も先生にお聞きしたい事があるのでお話ししたいと思ってたんですが、これから仕事なので明日でも大丈夫ですか?』
『分かりました、聞いてみますね、明日でよろしかったでしょうか?』
『はい、明日の午後でしたら家に居ますので』
(はあ、明日また一日電話待ちか……)
その数分後、再びワーカーさんから電話が。
『精神科病院からお返事がありまして、土曜日に退院でも大丈夫ですか?』
『土曜日…』
その日は私も次女も出勤になっていた。
しかも私の職場は土日祝日が非常に忙しい。
返事に躊躇っていたら
『土曜日以外ですと、4月になってしまうんです。精神科の先生がいらっしゃるのが土曜日だそうなので』
あ~、そっかぁ…
精神科に入院前の診察があるんだった💦
先生がいないと話しが出来ないしそれに…月は跨がない方が良いとか何とか職場の人が言ってたことを思い出した。
『では土曜日にそちら行きます』
その後、他の人に出勤を頼み土曜日には私と次女、二人揃って何とか休みをもらう事が出来た。
仕事を終え、帰宅後夕食作りをしている最中。
病院の先生から電話が!!!
『☆☆病院の医師です、すみません今日電話させていただいて、今後の事とか寿命とか…今お時間大丈夫ですか?』
『はい!大丈夫です、よかったです!色々聞いておきたいことがあったので』(ん?なんか今寿命とか言った??)
『そうですか、とりあえず今の所容態が安定して来ましたので退院が出来ます』
『ありがとうございます、あの実は主人の肝臓の事でお聞きしたくて。今の主人の肝臓はどの程度悪くなってるのか知りたくて、例えば代償性とか…ありますよね?』
『ええ、肝臓はですね…もう全く機能を果たす事が出来なくなってて、とにかくボロボロになってる状態です』
『そうですか…』
『今は落ち着いていますが、今後この肝臓が悪さを働いてあちこちでまた今回のような色んな症状が出てくると思います。今回の事も普通の人であればここまで酷くならなくて済んだ所なんですけど、回復までに時間が掛かりましたね』
『そうですか、、あとあのですね…今後なんですけど、あの…個人差はあると思うんですが、どれくらい……』
『そうですね、何とも言えませんが、5年生存率で言うと、50%くらいといった所です』
『分かりました。あの……精神科で腹痛を訴えてからかなり長い時間放ったらかしにされていたと主人は言ってて…』
(実は旦那は腹痛を訴えてからなんと、丸二日間も放ったらかしにされていたそうなのだ)
『そうですね、こちらも見た感じ、かなり時間が経過してるなと思いました』
『私あの時もう死ぬんだなって思ってました』
『僕ももうダメかと思っていましたよ(笑)よく持ち直したと思います。ご主人の生命力が強かったですね』
『そんな、先生方の的確な処置のおかげです💦本当にありがとうございました』
『いえいえ(笑)、では明日お待ちしてますので』
『はい、ありがとうございました』
電話を切った。
医師から寿命について聞かされたのは初めてだった。
自分で調べてみるのと、直接医師から言われるのとでは気持ち的に全く違うと言うか、実感が凄い。
分かっていた事とは言え、結構ショックなのだった。
明日!
忙しくなるだろうと考えつつ、荷物を纏めながら物思いにふける私だった。