『悪』になってしまう『物質』 | 怒涛の6年

怒涛の6年

旦那のアルコール依存症→精神科外来→離脱せん妄→借金地獄→断酒→スリップ→精神科入院→現在



これは、あくまでも私の家の事であり、私個人としての意見である。

一言で『アルコール依存症』と言ってもその『症状』は様々である為余り参考にはならないかもしれないが。


私は『アルコール依存症』(家族)歴約十年とブログで記載していたが、気が付いたのは多分もっとずっと後になってからである。

旦那の『症状』の場合。
飲むとくたくた、ふにゃふにゃして上体が揺れたりとそれくらいで、暴言や暴力等が一切無かった為に気付いたのが遅れたのだと考える。

十年前は『ただの酔っ払い』だと思っていた。

従って、最初は『飲み方』よりも、『肝機能障害』の心配ばかりしていたのだ。
本人も体のあちこちを痛がり、発熱などもしていたので『内科』に掛っていた。

都立病院を紹介され、『消化器内科』へも行ったが、『お酒を控えるように』としか言われず、医者のせいにする訳では無いが、この時に医者から『精神科にかかる事をお勧めします』と言われていれば早いうちに気付いていたかもしれない。

その為当時は『アルコール依存症』のアの字も思い付かなかったのだ。と言うか、知らなかった。

この時既に旦那は『アルコール依存症』に罹ってしまっていたと考えられる。


自分で酒を控えるなど余程強靭な精神力を持ち合わせていなければ難しい。若しくは、多少でも『アルコール依存症』の知識があれば違って来ると思う。

現に、昼間旦那とそのような話をしていて、医者から
『お酒を止めなければどうにもならないですね』
と言われた時本人は
(…止めるって、どうやって止めるの???)と思っていたと言う。
精神科以外の医師からはお酒の止め方は教えてはくれないのだ。(医師にもよる)


数年前、『節酒』をした翌日に『アルコールてんかん』を起こして倒れ、その時に(これは何かおかしいんじゃないか?)と初めて『アルコール依存症』がハッキリとした形を作り始めたのである。

その後は体調が悪くなると駅前にあるクリニックにかかるようになり、そこでの検査の時に旦那は先生に、
『ビール一本くらいなら大丈夫ですか?』
と聞いたのだそうだ。(私は不在)  そして先生は、
『まあ、その位なら大丈夫でしょう』と。

『アルコール依存症』の患者が一日にビール一本で耐えられるのか??
出来ている人もいるかもしれないが、ここは甚だ疑問しかない。
先生が言いたかったのは、
『この数値ならビール一本くらいなら内科的には問題無いでしょう』
と言う事だ。

このようなやり取りもあった為に、更に精神科への道は私から遠のいてしまっていたのである。


●最近少し飲み方がおかしいかな?
●内臓が弱っているのに飲んでいるけど何故だろう?
●なんだか隠れて飲んでいるみたいだけれど…?

等少しでも(あれ?)と思う事があれば、先ずはネットで『アルコール依存症』を調べ(チェックシートもあるので)少し知識を身に付けておく。
そして、『内科』では無く『精神科』へ行く事をお勧めする。

本人が行きたがらなければ、家族や身の回りの近しい人が『精神科』へ行き、話を聞いて貰う。

それらはなるべく早期の段階に行った方が良い。

遅れれば遅れるほど体を壊すリスクが高まり、また社会的信用を失うリスクも高まる。
最悪な場合は犯罪を犯してしまう事も考えられる。

回りの人からすれば、
『こんな酔っ払いの為に何で自分がこんなに面倒な事を…』
と思うかもしれない。

私がそうだった。
他の病気ならば分かる。しかし何故にアル中なんかの為に自分が動かなければならないのかと、
『早く病院行きなよ』
と丸投げしていたのだ。

他の病気も『アルコール依存症』も、同じ病気として一括りに考えられなかったのだ。

『早く行きなよ』では無く、
『一緒に行こうね!』と言う気持ちが大切だ。

それとは逆に
『放っておく』のも一つの方法である事も間違ってはいない。

私は全てが『面倒』だったので、放置していたのだ。
放置したからこそ、旦那は死にそうな目に合い、失業し、多大なお金が掛かり、

そこでやっと、本当にやっとの事で本人も遅ればせながら
『このままではマズいぞ』
と気付いた。

ただし、本当に放置し過ぎるのは危険だ。

夏に旦那の体調が悪かった時、
『救急車呼ぼうかな』と旦那が言った時に私は、
『え~?明日まで我慢して明日病院行けばいいじゃん!』と反論したのだ。
この時オールしていた次女から、
『早朝から何時間も苦しんでいる』と聞いて、それで渋々救急車を頼ったのだ。

この時放置していたら、恐らく旦那はあの世行きになっていただろう。

そうなれば手遅れだ。
寝覚めも悪いだろうし何より自分を物凄く恨んだ事だろう。

放置と言ってもそこら辺の塩梅は難しい。

自分の子供ならば献身的に
『早く治そうね』『一緒に頑張ろうね』
と寄り添える事は出来ても、

酔っ払っているか寝ているかのだらしない他人(旦那)に対してそれは非常に難しい事だろう。いや、私には無理だ。


私のように全く飲めない人間からしてみれば、酔っ払いに対して嫌悪感を抱いてしまうが、
飲んでいる本人もどうする事も出来ずに苦しんでおり、お酒によって犯罪に走ってしまっている人も、庇う訳では無いが好んで罪を犯している訳でもない。
又、好きで暴力を振るっている訳でも無い。


私は『根っからの悪人』はいないと思っている。
『根っからの悪人』という者は、生まれ落ちた瞬間から『悪意と殺意しか持ち合わせていない』悪魔のような者の事を指していると考えている。

なのでアルコールという物質によって悪のような人間を作ってしまうのであり、本当は当人は悪でも何でもない。

気が付いたら速やかにその『悪になってしまう原因の物質』を排除してあげなければならない。