酒害相談、そして悩んでいる方へ | 怒涛の3ヶ月~2年目

怒涛の3ヶ月~2年目

旦那のアルコール依存症→精神科外来→離脱せん妄→借金地獄→断酒→スリップ→精神科入院→現在




私は以前、市の生活相談に行った時の事を記事にしたが、

電話口で相談員の方と話した時に
『酒害』と言う言葉を耳にした。

その時初めて
(へえ、酒害って言うんだ)と妙に感心した。

酒の害、と書いて『酒害』。
要するに、酒によって害を受ける。まんまだが。

当時は

『酒なんかの為にこんな事になって、酒が憎い!』

などと思っていたが。

酒を憎んだ所で、酒を悪者にした所で何にもならないどころかストレスが溜まり、それだけ時間と労力の無駄である。

何故ならば、『酒』に全く悪気はない。
人間じゃないから罰する事も出来ないし、仮に『酒』を罰したり『酒』に罵倒を浴びせた所で状況は全く変わりはしない。


お酒は調味料として使用する事により、臭みを消したり味に深みを出したりする事が出来るので、
世の中からお酒が無くなったら私も困る。

『酒害』を受けた本人や家族が『酒』を撲滅させたいと思った所でそれは到底困難な話だろう。

『アルコール依存症』は脳の病気なのだから、せめて予防や『酒』に対する知識は大切だ。

学校で
『薬物乱用防止教室』があるのだから『アルコール乱用防止教室』があっても良いように思うが、私の子供らを見ている限りでは、その教室の最中はほぼ『上の空』だったようでロクに話を聞いてもおらず、役に立っているんだか分からないが。

それでも今でも心の奥底に、『薬物は絶対駄目!』と言う気持ちが残っているようなので、教室を開かないよりは良いのではないか。

一番改善出来るものならば、何とかしたいと思っているのが、アルコール依存症に対する『偏見』である。

私は割と職場の人やご近所さんに
『家の旦那アル中で肝臓が悪いんですよ~(笑)』
等と話していたが、中々それは出来ないだろう。
逆にオープンにすればするほど、(大した事なさそうだ)と取られそうだ。

しかしそれは旦那の事だから話せるのであって、もしそれが子供達だったら無理そうだ。

旦那は所詮は他人だが、子供達は違う。
もし子供達が同じ病気になれば、私は身も世もなく泣き喚き、必死になって空回りしそうだ。



『アルコール依存症』と言うとどうしても
だらしない、とか意志が弱いとかそんな風に思われる。
悩んでいる人は数え切れないほどいると言うのに、まだまだ世間様は『病気』だと思ってくれない為に、オープンに出来ず、患者の人数は増えて行く一方だ。
偏見がある為に、当事者も何となく
『アルコール依存症と思われたくない』
といった恥ずかしさからか、隠したり、認めなかったりするのだ。

もっとずっと『メジャーな病気』と一般的に認められれば随分と違って来るだろうに。

会社にも、
『いや~、ちょっとアルコール依存症になりましてね、暫く休職させてもらいたいんですが…』

『それは大変だ!回りの事なんか気にしなくて良いから、しっかり治して復帰しなさい。お大事にね』

そして、職場の人達からの寄せ書きが…。

『病気なんかに負けるな!』
『ゆっくり治して来てくださいね!お大事に!』
『一日も早く職場復帰出来ることをお祈りしています、お大事に…』
……そして花束……。

そんな風になれば絶対に何かが変わるのになぁ。
…多分?(笑)


私は生活相談や、入所施設等に旦那のアルコール依存症の事を相談したが、キチンと全てを話し、相談に乗ってもらったのはこの時が始めてだった。

話を聞いて貰えた事と、話をした事で随分と楽になり、これから自分がすべき行動に対して積極的になる事が出来た。

まだ誰にも相談しておらず、一人で抱えている方は、是非こういった場で先ずは話を聞いて貰ったら良いのではないかと思っている。

ここでなら先ず、何をすれば良いのか、本人への対応はどのようにすれば良いのか、色々と親身になってアドバイスをしてくれる。

自分の口から直接話をして、第三者から聞いてもらうだけでも、自分でネット等に頼るよりも随分と違うし、少しは楽になれると思う。


話は変わるが、
例えば健康に日々気を使い、食べ物、運動、睡眠
を大切にし、それでも『不知の病』に罹ってしまう人は居る。

そして、毎日お酒を飲んでいても、依存性にもならなければ肝臓を悪くする事もない人だっている。

この差は一体何なのだろう??
『運』と言ってしまえばそれまでだが、何かキーワードでもあるのだろうか?

私に出来ることは、難しい事は解らないから、せめて。
『こうならないように』と、子供達に伝えて行くしかない。

実際子供達は幼い時から『アルコール依存症』の父と生活を共にしていたので『反面教師』となっている。
『自分はこうならないようにしなければ!』とか
『私はお酒を飲む人とは絶対に付き合わないし、結婚しない!』
等と言っているので今の所は安心しているが、
人生何が起こるか分からない。

何故ならばこれは『病気』なのだ。

もしかしたら、
何かのタイミングで、このような病気になってしまわない、とも言い切れないのだ。