その日私は、夕ご飯に
冷凍食品の味の素『五目あんかけ焼きそば』を食べようと
ウッキウキであった。(私だけ)
大分前のことなので忘れたが、
家族に作る夕飯メニューがあまり食べたくなかったのだろう。
それで自分だけ適当に食べたい物で済ます。と。
仕事から帰り、空腹だった私は
夕飯の時間までまだあったが、先に食べちゃおう！と、
『五目あんかけ焼きそば』をレンジに投入して、ダイヤルを回した。(古いタイプのレンジなので)
ぶぃ～ん←レンジが回る音
(早く出来ないっかな～♪♪)
するとしばらくして台所から、
BOMB！
と大きな爆発音が！！
『な、なになになにっ！？』
慌てて台所に行き、レンジを見ると、レンジの扉は開き、『五目あんかけ焼きそば』が辺り一面に飛び散っていた。
あの爆発音はレンジだったことが一目で、その惨状を見れば理解できた。
ゲッ！
な、な、な、なぜこんな事に！？
私の夕ご飯が！
レンジの中も外も、あんがあちこちに飛び散りベッタベタに……
私はそばにいた長女に、
『エーン！どうしよう！私の夕ご飯がぁ～！』
と訴えると長女は、
とりあえずお客様センターに電話してみたら？
と言うので、味の素さんに電話をかけてみた。
向こうの方はすぐに出てくれ、
私は
『あの、お忙しいところ恐れ入ります、ちょっと今日買ってきた商品に問題がありまして…』
となるべくヘリ下り、クレーマーだと思われないようにしながら言葉を選びつつ話した。
『大変申し訳ございません、どのような事でございましょうか？』
相手は男性だったのだが、さすがお客様センター、物凄っく丁寧な話し方だ。
私は思ったことをそのまま
『あの、冷凍食品の五目あんかけ焼きそばを温めていたら、電子レンジが爆発しまして』
『ええっ！電子レンジが爆発！？』
相手の方は物凄くビックリしていた。
いっけね、レンジが爆発した訳じゃ無いんだったw
『あ、レンジが爆発したのではなくて、すみません、五目あんかけ焼きそばが爆発しまして…』
何言ってんだ私
すると、ひどく安心したようで、
『左様でございますか、レンジが爆発したのではなくて、五目あんかけ焼きそばが破裂した、と言うことでございましょうか？』
『あっ、そうなんです！』
『それは大変申し訳ございません』
『あの、私の夕ご飯で…』
更に訳分からんことを言い始める私。
『大変申し訳ございません、今すぐに何とかする事は難しいので……お手数お掛けして申し訳ないのですが、お客様、その五目あんかけ焼きそばの袋をそのまま本社へ送って頂きたいのですが、よろしいでしょうか？』
『そのままですか？』
『はい、洗わずにその状態のまま着払いで構いませんので送って頂ければと思います』
『わかりました』
『それで、こちらで原因を調査させて頂きます。後日他の商品をお詫びとして送らせて頂きますので』
『えっ！そんな、お気遣いなく！ちょっと夕ご飯が食べられなくて、五目あんかけ焼きそばを楽しみにしていたものですから』
『それは本当に申し訳ございませんでした、五目あんかけ焼きそばは冷凍食品なので送ることは出来ませんが、代わりに他の商品をお送り致しますので』
『それは恐縮です、なんかあの、逆にすみません…』
『いえいえこちらこそ本当に申し訳ございません』
『そんな、こちらこそお忙しいところ申し訳ありません』
と、気付けば係の人とお互いに
『すみません、申し訳ありません』
と謝り合戦を繰り広げていた。
後日。
味の素さんから山ほどの食品たちが送られてきた。
CookDoやらミートソースの素やら！
(家では買わないような商品ばっかりだったけれど(笑))
そして、『五目あんかけ焼きそば』の調査票が同封されていた。
先日は大変なご迷惑をおかけして、誠に申し訳御座いませんでした。
と言うようなお詫びから始まり、
調査の結果、五目あんかけ焼きそばのキャベツの欠片が空気穴に詰まり、それが破裂の原因となっておりました。
今後はこのようなことがないよう……うんちゃらかんちゃら……
いや、あの……
そこまでしてくれなくても全然良かったんだけども
今思い返せば、私は何故にあんな、少し考えれば解るようなことで慌てて電話をしてしまったのだろう…
空腹のあまり気が狂ったんだろうきっと。
何だか物凄い悪いことをしてしまった気持ちと、恥ずかしさで
暫く自己嫌悪に陥っていたのである。
味の素さん騒ぎ立ててごめんなさい！
ありがとうございました！
※送られてきた食品たちは、後で美味しく頂きました。