旦那が死ぬまで私は… | 怒涛の6年

怒涛の6年

旦那のアルコール依存症→精神科外来→離脱せん妄→借金地獄→断酒→スリップ→精神科入院→現在



●お風呂のガラス戸
●2階の襖
●台所のシェルフ棚、その上に置いておいた時計
●洗濯機のパイプ棚
●以前飼っていたカメの水槽
●玄関外の軒先の柱、
これらは全て、旦那が酔っ払い時代に旦那によってぶっ壊された物達である。

酔っ払って千鳥足で家の中を歩くものだから、
お風呂のガラス戸はよろけた瞬間に思いっきり手をついて割った。流血した。

襖は酔っ払ってトイレに起きた時によろけて襖に体ごとぶつかり襖ごと旦那は倒れた。
襖は骨も折れ、大穴は空き、襖は再起不能となってしまった。


台所のシェルフと洗濯機の棚も、酔っ払って思いっきり体をぶつけて歪んでしまい、時計はその時に落ちてぶっ壊れた。


カメの水槽は、酔っ払って夜中トイレに起きてきた時に(廊下に出していた)、よろけて足を突っ込みプラスチック製の蓋を割った。
可哀想にカメは朝起きた時に気付いたが、プラスチックの破片まみれの水槽の中にいた。


軒先の柱は、離脱せん妄が始まった初期の頃に車をバックさせて思いっきりぶつけ、曲がってしまった。(しかも会社の車)


数年前、旦那は毎日隠れて飲んでいた時(全然隠せてない)、
二階で飲んで、その飲みがらをあろう事か、窓から外に放り投げて捨てていたのだ。

音は当然下に居ても聞こえてくる。

ガラッ、ゴロンゴロン!

ガラッ、カランカラン!


ゴロンゴロンはウイスキーボトルで、
カランカランは缶チューハイやら白角やらハイボールである。

バレバレなのに何故そういう事をする……


最初、見える位置に捨てられていた空き缶や紙パックなどは私が拾って捨てていた。

気付けば段々と家の周りが空き缶やら空き瓶で囲まれて行く。
これには本当に参った。


意を決して、私は当時高校生だった次女と二人で
真冬日の寒い中、人目を忍んで家の周りに散らばるゴミを拾った。

凄まじいゴミの量。
家の周りとは言っても、2階から投げ捨てられる場所は決まっているので、家の周り半分くらいであったが、

大きな40Lのゴミ袋に5~6個分は出たであろう。

更にそれらを、缶、ビン、燃えるゴミ、と分別して行く。

特に怒りは湧かない。
もはや『無』である。

ようやくゴミを片付け、旦那に報告はする。

『家の周りのゴミ、片付けたから』

『……』

これでようやく旦那は酒の飲みがらを外に捨てる事は無くなった。

以来、使用していない押し入れをゴミ箱にする事にはなったが、外に捨てられるよりはマシであろう。

しかし酔っ払っているか、仕事に行っているか、どちらかしかしない旦那。
もはや家の中はボロッボロである。

自分で壊しておいて直そうとしない為である。



つい二週間ほど前のことである。
お風呂の排水が詰まり大変な事になっていた。

今更業者を呼ぶのも躊躇されたし、しかし風呂に入れなくなったら大変だ。

しかし、

その時、

遂に旦那は動いた!!

旦那は
『さあ、やるぞー!』と気合いを入れ、
風呂の排水を直し始めたのである。

風呂の排水は2ヶ所あり、我が家の風呂は古いだけあって、詰まっている方の排水には手が届かないどころか見えない場所にある。

直し始めて数時間経過…
『流れた!!』と言う旦那の声が!

なんと、あの、
何もしなかった旦那が

直したのである!

風呂を!

すっかり普通の真人間になった瞬間だ!

ああ、こんな旦那が一生涯続けば良いが!

そこは悪いが信用していない。
無論、私の母も、子供達もだ。

アルコール依存症者がいる家族は、
その人が亡くなるまでその心配を、一生涯続けて行かなければならないのである。

子供達のためにも、

旦那が死ぬまで私は死ねないのだ。