古い模型誌を見て | 人参さんは語りたい。

人参さんは語りたい。

引退気味モデラー『人参』の模型論、『持論』を語ります。
たまーに作りかけ模型をupしつつ完成するのは希。

みんなが右から見ている時は左から見てみて考える。
誰もが思いつつも口に出せないあれやこれやを書いて問題提起していくブログです。

古い模型誌が好きだ。

古い模型技術指南書が好きだ。


小学生の頃プラモ狂四郎をみてぼやっと見えたプラモの作り方、

ボンボンにざっくり載って説明されてるパテの使い方。


初めて使ったタミヤのエポパテはいくら待っても固まらず、模型誌に載ってる黄色いパテはなんだろ?と思いながら見つけたポリパテはすぐに固まって僕の模型を変えた。


小さなデザインナイフを買い、指をザクザク切りながら造形を覚えた。

彫刻刀を何本も買うお金なんてなかったので小学校の授業で使った大きい彫刻刀で細かい造形もやった。

資料が少ないながら中学生の時には作りたい形は大まかにパテで作れるようになっていた。


だけどその当時の目標とする模型誌の作例がとんでもすぎるため、目が超えすぎてなかなか完成しなかった。


高校に入るとバイトをしてエアブラシとコンプレッサーを買った。

教えてくれる人はいない。

希釈を色々試し、つまらせたりいと引いたり、シャバシャバ過ぎたり。


1年くらいしてやっと満足いくように塗れるようになった。


学校のロッカーの中にはホビージャパンばかりだった。


そのうち模型基礎の作り方が載ってるMAX渡辺さんの指南書が売ってることを知る。


だけど地方の本屋にはそんなマニアックなものはない。模型は今ほど社会的地位もない。
インターネット通販もないのでひたすら探すしかなかった。


高校も上の学年になるとホビージャパンでMAX塗りの方法が公開された。

みんなこぞって真似する。

MGが発売されて3年。以前ほど全身パテの作例は減っていた。


が、その頃人間スタイルや大張正己スタイルで作る人が現れていてそれに惹かれた。

FSSも高校に入ったあたりでハマったこともあり、僕の模型は大張スタイルと永野さんに影響されるものになった。


太ももは幅増し延長は当たり前。
そこにパテを盛ってバリってる太ももに整形。

お腹も切り出し延長が当たり前になったが乾燥時間不足で積層のところは何度もひけ処理をした。

乾燥時間が3~7日かかるなんて知らなかった。


高3の頃にはフェイスの作り直し、各部延長、パテによるダクトの削り出し、足の小型化などだいぶ出来るようになる。


当時からマスキングは嫌いで塗りやすくするためにて加工で分解後ハメ出来るようにしてたな。


FSSのキットが作りたくウェーブの1/100に手を出す。

全身切り刻んだり、プラ板でフレーム新造したりしていた。

FSSの資料はその頃にはまだ売ってなかったので箱組みフレームだったけど頑張ってたな。

ジュノーンの頭はほぼパテの塊だった。



その後よさこいにハマりちゃんとした加工は10年くらい休むことになる。

が、基礎的なことは20歳までには全てできるようになった。

資料もなく、お金もなく、教えてくれる人がいた訳でもないので改造とかするようになって10年もかかってしまった。



20歳以降はHGシリーズがHGUCとして新展開してた。
好みのスタイルではないけどパチ組みあそびは続けた。



その後10年、久しぶりにちゃんと模型リターンする頃には工具の進化は凄かった。

情報もインターネットのおかげで見つけやすい。
模型仲間も出来たりした。

が、気になるのは10年離れていると僕の憧れたガッツリスタイル変更するモデラーは少なくなっていた。



そこからさらに6年。
世の中はスタイルはいじらず筋彫りをする。
とりあえず塗る人が溢れている。


パーティングラインを処理しないでいきなりエアブラシデビューって人も多く見た。


基礎加工はバンダイの進化(作りやすさの向上)によりできない人が増えていた。


写真に力を入れる人が増えた。

違和感。
この人たちはかっこいい写真が取りたいだけなのだろうか?

若い子にもてはやされる人達も見る。

その中にはけして上手くもない人もいるが、なぜか天狗。

違和感。

僕が知ってる凄いモデラーってそんなレベルじゃない。



で、気づく昔は何見ても『凄い!』『楽しい!』

だったのが現在は『違和感』『天狗を見ての不快』になっていた。


変な人も増えた。

僕の好きな昔ながらのモデラーの数は1%居ればいい方くらい少なくなっていた。


模型を純粋に楽しめない。

改造はただの自己主張になり、
マウントの取り合いみたいなのも見る。







そんな中、古いホビー誌を発見して懐かしく読む。

『楽しい!』『おかしい!(いい意味で)』

工具が進化したこともあり書いてあることは昔よりもやりやすくなっている。
しかし、やってる事がえぐい。

コレをロクな工具がない時代にやっている。


そう、俺が憧れた人達はこんなにおかしい。

模型のスタイルも

大河原さんぽいの、
小林さんぽいの、
カトキさんぽいの、
大張さんぽいの

いろんなスタイルが溢れていた。

そうか可能性に溢れていたのか。


今のキットの進化はその中のひとつの可能性の進化であるけど、

それは
①色を塗らなくても色分けされている。
②よく動く。
③バンダイが生産しやすい。

て進化であり、造形的な進化はほぼなかったように感じられる。

そうか僕の好きな物はバンダイが切り捨てた中にあった可能性なんだ。


そりゃ現代のモデラーとの相性は悪いはずだ。

喧嘩をしたい訳では無い。


ただ僕は別な可能性の中で生きているだけ。
何となくソレを実感。


うん、古い模型誌集めたくなったな。