まずは四の五の言わずに言いたい。
お芝居を観るのが好きでよかった。
お芝居を観て揺さぶられる心を持っている自分でよかった。
そんな悦びがここにありました。
モダンスイマーズ。
とても素敵な劇団で、
私がスタッフとしてお手伝いをしていた劇団とも親交があり、
古山憲太郎さんには客演として出てもらったりしていました。
とはいえ、ある意味真逆の劇団で、
スタッフながら羨ましくもあった。
そう、真逆。
モダンスイマーズといえば、
オシャレでカッコよくて、
これがイケてる小劇場の劇団の形の代表みたいに感じてました。
タレントさんも出たりして、ね。
私が過去に何度か観たモダンスイマーズの観劇での印象は、
人が持つカサカサしたところを見つけて、
なでられて、
痛いよ、痛い痛い、でもわかるんだよ、わかるから痛いんだよ。
という印象でした。
だから面白くて好きだったし、
だからなんとなく足が遠のいた時もあった。
あれから何年経ったんだろう。
もともと個性的で上手な役者さんたちは、
歳を重ねてさらにさらに味が出ていた。
作品を描いた蓬莱竜太さんも、
きっと歳を重ねて、
カサカサしたところを、
ガリガリ…カリカリくらいかな?…
やるんじゃなくて、観る人に委ねた。
そして観る私の受け止め方も変わった。
自分の成長、成長というか、
歳を重ねたことをいい意味で実感することができました。
私は今、“べき”を捨てて、許容するようになっている、
というより自分軸で物事を捉えられるようになったんだなぁ、と。
今回の作品のどの人物にも、少なからず共感できるところがあり、
自分に重ねたり客観的に観たり、
観ている人それぞれが、
それぞれに感じられるようになっています。
クライマックスからラストまでのギアの上げ方が半端なく、すっかりやられてしまいました。
蓬莱竜太さん、やっぱりすごすぎます。
お芝居を志すあなたへ。
頑張ってることに苦しくなったり、
人と比べて自信をなくしたり、
そんな自分じゃダメかもしれないって思っても大丈夫。
その気持ちを知ってるからこそできる芝居があるんだよ。
そんなあなたにしかできないことがある。
人間が人間を演じて人間が観るのだから。
あなたのその経験で、
きっといつか誰かを救うことができるよ。
今日観た舞台で、私はそんなことを思いました。