ゴツプロ!第9回公演『無頼の女房』
若くして亡くなった劇作家中島淳彦さんの代表作。
無頼派と呼ばれた坂口安吾をモデルに、
愛すべき個性のある登場人物たちが描かれています。
のっけから、2階から飛び降りるシーン。
なんとも滑稽に、
それでいて、好きになっちゃう人物たち。
笑えて、
笑いながらなんだか切なくて、
メッセージが伝わってくるのがとてもいい。
物書きの妻が、
物書きの妻らしく夫に寄り添い、
いざという時には強くなる!
とても素敵でした。
そういえばいくつか観たことのある
中島さんが書く女性は、
いつもとても素敵で、
男性からも女性からも、
きっと理想の女性なんじゃないかと思います。
さらに、みんな完璧じゃないのがいいのです。
人ってお互い補い合って生きているんだな、と思います。
人間の関り合い方がなんだか今よりもっと深くて、
人情味があって、
仲間に入れてもらいたいような気持になりました。
物語ですが、モデルもあるので、
太宰治も出てきたり、
どこまで事実でどこが脚色なのか、
気になりつつ、
それでいて「どっちでもいいか」と
純粋にお話として楽しむことができました。
(一部、終演後に気になって調べちゃいましたが)
中でも途中に出てきた、
お手伝いさんの多喜子さんのご主人が書いた文章が、
とても素敵でした。
長崎の原爆をたまたま目撃してしまった五助さんの
物書きではないながら実直な文章。
「生きる」がキーワードでした。
そこだけを聞きにもう一度観に行きたいくらい。
あれが、中島さんの伝えたい言葉、テーマだったのかな。
文字にしてあったら買いたい(笑)
一回聞いただけじゃ覚えられなくて悔しい(笑)
さて、撮ってもらったらちょっとブレていた写真もあげとこ。