※閲覧注意。(BLです)
松村北斗×京本大我
慎太郎side
たぶん、お酒の勢いもあったと思うけど…
きょもが「北斗の家に行きたい」なんてビックリ発言をした。
そもそも、今日の俺の使命は“きょもと北斗の距離を少しでも縮める事”だった。
だから無理やりご飯に誘って、きょもと北斗をわざと向かい合わせの席に座らせたのもその為だったんだけど…
それが裏目に出てしまい…珍しくきょもが飲み過ぎてしまって、やっぱりダメだったか…とちょっと残念に思っていたら…
まさかのきょもの方が積極的に動いたから
めちゃくちゃ意外で驚いた。
北斗の家に行けることになって嬉しそうにしていたきょもだったけど…
いざ北斗の家に到着すると、
きょもが急にソワソワし出した。
北斗から「とりあえず適当に座って」って言われても、一向に動く気配のないきょもの手を引いて、俺と一緒にソファに座らせた。
そしたらなぜか俺にピッタリくっついてくるきょも。
きょもが甘えてくる時は大抵気持ちが不安定になって人恋しい時で…
メンバー全員でいる時は大体その役割は樹。
だから俺に甘えてくる事はほとんどないんだけど…
今は樹がいないから珍しく俺から離れない。
普段はお兄ちゃんのように大きな存在で尊敬する先輩なんだけど…
こんな時は俺よりも年下に感じる。
「…きょも?もしかして緊張してる?笑」
と聞くと…
頬をちょっとだけピンク色に染めながら、
コクンと頷いた。
『ホント女の子みたいだな。笑』
なんて思いながら…
きょもの背中を摩って落ち着かせ、北斗の方を見てみると…
北斗が愛しそうにきょもの事を見ていた。
『…やっぱり…北斗ってそうだよね…?』
昔はものすごく仲がイイふたりだったから、最近の北斗のきょもへの態度が腑に落ちなくて…今までずっとふたりを観察してきた。
そんな中で、なんとなぁ〜く気付いた事…。
『北斗はもしかしたらきょもの事を恋愛対象として見ているのかも…?』と。
俺の視線に気づいたのか…北斗と目が合い、
気まずそうに視線を逸らされた。
『本人自覚ないんだろうけど…
意外とわかりやすいんだよなぁ〜。笑』
俺の予想は確信に変わった。
北「俺…さ、明日朝から仕事だから先に風呂入ってきていいかな?」
「もちろん!」
大「北斗…朝から仕事なのに無理言って押しかけちゃってごめんね…」
北「えっ?いやっ、全然大丈夫だから!気にしないで!…じゃあ、俺風呂行ってくる。
…あっ、冷蔵庫に飲み物あるから、適当に何か飲んでゆっくりしてて」
そう言って、北斗が浴室に消えていった。
北斗がいなくなった途端、
きょもが俯いてなにか考え始めた。
『…あぁ〜、これは…「迷惑かけてる」とか思い始めたんだろうな…』
「きょも、なにか飲み物もらおっか?」
大「えっ、…うん」
冷蔵庫の中からビールを2本取り出し、
1本をきょもに渡す。
「はい!」
大「…ありがとっ」
今日のきょもはすでにだいぶ飲んでるから、これ以上飲ませる事に少し抵抗はあったんだけど…
きょもの緊張を解すにはやっぱりアルコールしか思いつかなかった。
ビールの缶を握りしめてプルタブを見つめたまま動かないきょも。
「きょも、とりあえずさ、ちょっと飲んでリラックスしよ?」
大「…うん」
きょもが握りしめているビールのプルタブを開けてあげて、お互いの缶を軽くコツンと合わせ、
きょもがひとくち飲むのを見届けてから
俺もビールに口をつけた。