5月末、例年より遅く台風1号が発生しました。
瀬戸内海の島の旅に影響が出るかと心配していたのですが、6月1日はお天気になり、予定通り出発しました。瀬戸内海に浮かぶ小さな島、粟島(あわしま)を目指して.... (瀬戸内・粟島 | 三豊市観光交流局 (mitoyo-kanko.com)
粟島は香川県の須田港からフェリーで15分
粟島は小さな島で、レンタサイクルして回りました。
梵音寺というお寺があり、そこは香川県の保存木である巨大なタブノキ(クスノキ科 タブノキ属)で知られています。
まず、その大木に挨拶をしてから、お寺に参拝し、それからうろうろしていたら珍しい形の墓石が並ぶ墓地に行きつきました。
そんなとき、どこからか地元のご婦人が私たちの前に現れて、それらの墓石についてや、粟島の歴史などについて詳しく説明して下さいました。
墓の話からか、なぜか彼女は「テイカカズラ」という花の話を始めました。
テイカカズラ(定家葛)という名前は、「藤原定家が、成就しなかった恋の相手である式子内親王を死後も忘れられず、ついに定家葛に生まれ変わって彼女の墓にからみついたという伝説に由来するそうです。
(※式子内親王=後白河天皇第三皇女、藤原定家=平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての公家・歌人)
それから彼女は私たちにテイカカズを見せたいからと言って、坂を下り、小さな花をいっぱいつけた植物が覆った石垣に案内してくれました。
私は、その植物がたまたま知っていたスイカズラに似ているような気がしたので、「これ、スイカズラではないですか?」と尋ねたところ、それは「テイカカズラ」で、「スイカズラ」と違って毒がある、という返事でした。
(実は、その日、彼女は今満開のテイカカズラの花を見に来られていたのでした。)
【テイカカズラ】(キョウチクトウ科 テイカカズラ属)
日本原産種で、本州から九州の林などに自生する常緑ツル性植物。
「つるクチナシ」の別名をもち、強い香りがあり、かつてはこの香りを楽しむために植えられることが多かったそうです。
茎から出る付着根が木や岩に食い込んでよじ登り、高い木の頂上までに達するものもあるということなので、その点からも、スイカズラと間違うようなことはありません。
注意!
テイカカズラのツルや葉柄をちぎると白い液が出てきます。
全草にトラチェロシドという有毒成分が含まれており、皮膚が敏感な人は触れるとかぶれる可能性があります。
かつてはテイカカズラを解熱、鎮痛、強壮に用いる民間療法もあったそうですが、誤用によって嘔吐、下痢、腹痛を引き起こすため現在は推奨されていないようです。
テイカズラ:白い花が次第にクリーム色になる。
開花期は5月中旬~6月中旬。
スイカズラ:白い花と黄色の花が一緒に咲いている。
白い花が受粉すると黄色に変わる。ジャスミンの香りがする。
開花期は5月~6月。
【スイカズラ】(スイカズラ科スイカズラ族)
インフルエンザに有効な貴重な薬草です。
スイカズラとすぐ分からせてくれるのは、花の形と、白と黄色の花が一緒に咲いていること、ジャスミンのような甘い香りです。
スイカズラの効能については、過去のブログ
https://ameblo.jp/kyomei-healing/entry-12588797810.html
https://ameblo.jp/kyomei-healing/entry-12492008131.html
をご覧ください。
似たような形状の野草が数多くあります。
並べてみれば違いがはっきりして判別できますが、そうでない場合は判別が
難しい場合が多々あります。
普段、野草に触れたり、香りを嗅いだり、味をみたりして慣れ親しむことが大切ですね。
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